悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録

2003年06月27日(金) 16時26分

厚生年金未払い、300億円も読売新聞

 社会保険庁は27日、1999年6月以降、厚生年金の「加給年金」の対象となる約7200人に約24億円の払いすぎがあったことを明らかにした。加給年金の受給権を失った後に配偶者に支給される「振替加算」も、91年から12年間で約3万6000人に約300億円が未払いだった。

 厚生年金の支給額を計算するコンピューターのプログラムミスや事務処理の手違いがあったためで、同庁は払いすぎた加給年金については、8月に給付される年金(6—7月分)から減額し、過去分も一括または分割で返納を求める。振替加算の未払い分はさかのぼって支給する方針だ。

 厚生年金の支給をめぐって、これだけ大規模なミスが発生したのは初めて。同庁は7月中旬に対象者に「おわび状」を送り、今後の返納方法などの説明書類を送付する。

 加給年金は、厚生年金に20年以上加入して年金受給者になった人に、65歳未満の配偶者や18歳未満の子供がいるときなどに加算される。配偶者が65歳未満のときは最大で年間約40万円が加算される。

 配偶者が65歳以上になると、年金を受け取れるため加給年金を受ける権利はなくなるが、同庁は4年間にわたり約7200人に支給を続けたため、総額24億円の払いすぎとなった。返納額は1人当たり最高120万円になるケースもある。

 同庁は支給ミスの原因について、99年6月に同庁社会保険業務センターのコンピューターのシステム変更を行った際、支給停止のプログラムを設定していなかったとしている。今年4月からの物価スライドによる年金のマイナス改定のため、昨年11月にシステムを点検した結果、ミスが発覚した。

 一方、未払いがあった「振替加算」は、配偶者が65歳以上になるなど加給年金の受給権を失った人を対象に、年金受給額の激変を避けるために支給されている。例えば妻が65歳になった時点で、夫に支給されていた加給年金が停止され、その分は振替加算として妻の基礎年金などに上乗せされる。未払いが発覚したケースでは、妻が65歳になって基礎年金を受給する際の事務処理のミスが原因。妻が65歳になるまで厚生年金を受給していたときには、65歳から基礎年金も受け取る手続きが必要だが、その際に夫に支給されていた加給年金を、妻への「振替加算」に変更する処理をしていなかった。未払いは1人当たり最高275万円ほどにのぼる可能性もある。

 社会保険庁は来月1日から31日まで、社会保険業務センター(東京・杉並区)に問い合わせ専用電話((電)03・5346・2121)を設置する。

http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20030627i204.htm

この記事に対するコメント/追加情報を見る

ニュース記事一覧に戻る

トップページ