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2003年06月27日(金) 00時00分

医療ミス繰り返す「リピーター医師」処分を 四日市『なくす会』が国に署名提出 約3万6000人分の署名簿を手渡す「リピーター医師をなくす会」の代表(左から3人目)ら=厚生労働省で 東京新聞

 「妻の犠牲を無駄にしたくない」−。二十六日、衆院議員会館で開かれた医療事故防止を考える国会議員の勉強会。この場で、医療ミスを繰り返す「リピーター医師」に適正な行政処分を求めて活動している四日市市の「リピーター医師をなくす会」代表の伊藤永真さん(37)=同市=は、自らの被害を語った。約三万六千人から集めた署名簿も厚生労働省に提出し、国の早急な対応を訴えた。

 超党派の国会議員でつくる医療事故防止の勉強会に、伊藤さんは事例報告者として招かれた。淡々とした口調ながら「私の目の前で、ミスは起きた」と怒りと悔しさをあらわにした。伊藤さんの妻(32)は二〇〇一年十二月に、四日市市内の産婦人科医院で長女を出産した直後、誤って注入された麻酔薬でショック状態に陥り、現在も寝たきりの状態が続いている。

 この医院では一九九八年と二〇〇〇年にも、新生児に重い障害が残る事故が二件あり、それぞれの家族が損害賠償請求訴訟を津地裁四日市支部に起こし、係争中だ。

 伊藤さんは今年一月、医院だけでなく、リピーター医師に指導や処分を怠った国にも責任があるとして、同支部に損害賠償を求める訴訟を起こした。

 小学校教諭の伊藤さんの教え子やその父母らが訴訟を支援しようと、なくす会を発足。五月下旬から、四日市市内などで署名活動を始めた。この中で、リピーター医師への行政処分の強化や、医師の処分を審議する厚生労働大臣の諮問機関・医道審議会委員に医療事故に詳しい弁護士や医療事故の被害者を加えるよう訴えてきた。

 この日、伊藤さんらは厚生労働省を訪れ、約一カ月半で集めた三万六千六十一人分の署名簿を提出した。

 受け取った中島正治医事課長は「医療に関する重大な問題と受け止めている。体制を整え、じっくり取り組んでいきたい」と答えた。

 伊藤さんは「(リピーター医師の処分を求める活動は)まだ始まったばかり。今後も粘り強く活動を続け、医療ミスの被害を減らすために国を動かしていきたい」と話した。

  (発知 恵理子)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/mie/20030627/lcl_____mie_____002.shtml

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