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2003年06月26日(木) 00時00分

県内サリン被害者 後遺症闘いなお朝日新聞・

■目に異常、体の痛み続く

 聖路加国際病院などが25日に発表したサリン事件被害者の後遺症実態調査では、今も被害者の多くが重い後遺症に苦しんでいることが分かった。5千人を超す被害者のうち、半数近くが地下鉄日比谷線に直通する東武伊勢崎線沿線を中心にした県内からの通勤・通学者とみられる。悪化や新たな発症への不安を抱えながら、後遺症との闘いは続く。

◇◇◇

 県東部に住む元会社員男性(62)は、体の変調に気づくたびに、メモ用紙に日付と症状を記録している。いったん止まったと思った記録は、今年また書き加えられた。

 95年3月20日。元会社員は地下鉄日比谷線小伝馬町駅で事件に遭った。地上に逃げたが、突然、意識を失った。けいれんやおう吐が続き、12日間入院。退院後も目をつぶるとまぶたの裏側に丸い輪が映るなどの後遺症が半年ほど続いた。

 1年後、完治したと思った。ところが事件から2年後の97年2月、目が覚めると部屋がグルグル回っていた。入院した病院で検査したが、異常は見つからない。原因も治療法も分からないまま、症状は3年続いた。

 その後も新たな症状が次々出た。体が締め付けられて硬直する。夜中に肩甲骨をキューと押さえつけられるような痛みに襲われ、こぶしを握って耐えた。そして今年1月下旬、頭を針で刺されるようなチクチクした痛みを初めて感じた。

 「いつまで続くのかという不安と、また別の症状が出るかもしれないという不安。二重の不安を抱えている」

 やはり小伝馬町駅で被害に遭った県内の別の男性(68)は、2週間後に職場復帰したものの、色覚の異常が残り印刷の仕事に支障が出た。職場の理解が得られず「孤独だった。肉体的ダメージより、精神的なものが大きかった」という。

 男性の勤め先は個人経営の中小企業。労災も社会保険も適用されなかった。100万円近い治療費は自己負担した。

 事件以来、ほとんど毎日、朝起きると涙がボロボロ出てくる。3年前から、物を長い間持っていたりすると左手の人さし指がビリビリと震えるようになった。

 男性は「治療や生活の保障など、国は責任を持って対処してほしい」と訴える。

(6/26)

http://mytown.asahi.com/saitama/news02.asp?kiji=4200

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