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2003年06月26日(木) 00時00分

チタン残滓問題/会社元社長に聞く朝日新聞・

小学校に埋め立て、そんな大量とは…

国への未報告 親会社の関与否定

 三菱マテリアル(東京)の子会社が、放射線が出るチタン残滓(ざん・さい)を峰吉川小(協和町)など県内数カ所に埋め、国に届けていなかった問題で、国が酸化チタン・メーカー7社に報告を求めた90年当時の子会社「トーケムプロダクツ」の元社長(73)が、朝日新聞社の取材に応じた。元社長は「国への報告がなぜ4カ所だけか分からない」「小学校にそんな大量(4万トン)に埋め立てたとは思わなかった」と話した。また、国へ4件だけ報告したことについては「親会社には連絡していない」と、マテリアル社の関与を否定した。

 元社長は79年、三菱金属(現マテリアル社)系の会社から東北化学(トーケム社の前身)に専務として出向。2年後に社長になり、94年ごろまで勤務した。本社の東京と、工場の秋田を行き来していたという。

 90年7月に発覚した岡山県内でのチタン廃棄物の放射線問題について、元社長は「青天の霹靂(へき・れき)だった。びっくりしてすぐに調査を指示した」と話した。

 出向前、会社が処分場以外に人工土として埋め立てていたことについては「いろんな所に埋めたらしく、近くを通るたびに教えられた。ダンプ数台というのが多く、記録もないのではないか。県が『ここどうですか』と好意的に対応してくれていた」という。

 峰吉川小に4万トンが埋め立てられたことについては「ダンプ数台との認識で、そんな大量だとは思わなかった」。しかし、「すべての場所で覆土しているはずだし、当時、工場内の廃棄物の放射線も問題なかったので安全だと思う」と強調。

 国の調査に対し、同社が4カ所しか報告していなかった点については「すべて報告したと思う。安全確認された後は秋田の工場がやっていて、東京にはいちいち報告してこなかった」「県は埋め立てた場所を全部知っていたはずだし、隠すことは一切ないはずだ」と説明。その上で「なぜ4カ所だけかわからない」と繰り返した。

 当時、工場長は三菱金属の出身者だった。また元社長は月1回、親会社を交えた会議に出席していたという。元社長は「親会社には業績報告が主で、放射線問題については口頭で安全確認を話したかもしれないが、文書で報告していない」と述べた。その上で、未報告については「親会社ぐるみということは一切ない。今はトーケム社が解散したのでマテリアル社が責任をもって対応しているだけだ」と話した。
      
                         ◇

 マテリアル社によると、トーケム社が国に報告した90年当時、同社を所管するマテリアル社の部門長は現社長の西川章氏だったという。同社広報・IR室は「国への報告内容について当時の担当課長に問い合わせたが、『報告を受けたことはない』と言い、西川社長も『記憶にない』と言っていた」としている。

新たに判明の三カ所を調査

三菱マテリアルは25日、チタン残滓を埋めていたことが新たに判明し安全が確認されていなかった秋田市内の3カ所の現地調査を26日に行うと発表した。

 調査するのは、秋田市向浜の中央流域下水道事務所敷地。3カ所は隣接しており、77年に3万5千トンが埋められたという。空気中の放射線量を測定するほか、必要に応じて土壌サンプルも採取し、測定値を文部科学省に報告する。
(6/26)

http://mytown.asahi.com/akita/news02.asp?kiji=4611

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