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2003年06月26日(木) 06時23分

ニセ請求メール、3日間で3千人が9千万入金!読売新聞

 今年3月下旬、大手都市銀行支店に開設された埼玉県内の男性(19)の普通預金口座に3000人以上から振り込みが殺到し、総額は3日間で9000万円近くに達した。

 銀行の調査で、振り込んだ人は、携帯電話の電子メールでウェブサイトの利用料名目の請求を受け、この口座が振込先になっていたことが判明。警視庁は、不特定多数に実体のない請求をして金をだまし取る詐欺事件とみて捜査を始めたが、口座開設者の男性は「心当たりがない」としているため、捜査は暗礁に乗り上げている。一方、銀行は、振り込んだ全員に返金する異例の措置をとった。

 振り込みが始まったのは3月24日。銀行には同日、開店と同時に「そちらの口座への振り込みを求める不審なメールが来ている」との問い合わせ電話が相次いだ。銀行で調査したところ、同様のメールが不特定多数の人に大量に送られていたことがわかった。

 メールには、「携帯ウェブサイト事業者から利用料金の回収を任されているが、債務の入金が確認出来ていない」とあり、利用料など計2万8350円を、3月25日までに至急支払うよう求める内容だった。末尾には「振り込みが確認出来ない場合は回収に向かいます」と書かれ、振込先として、この口座が指定されていたという。

 銀行で口座開設者の男性と連絡を取ると、男性は「そんな入金は知らない」と繰り返すばかり。銀行は、男性の許可を得て、口座からの引き出しを停止し、警視庁に通報した。

 結局、口座には26日までの3日間で、全国の3000人以上から8770万円が振り込まれたことが確認された。請求は実体のないものだったが、振り込んだ人の多くは、「過去に出会い系サイトを利用したことがあり、その請求が来たのかと思った。金額もそれほど多くなかったので振り込んだ」と答えたという。

 警視庁は詐欺事件とみて捜査しているが、口座開設者の男性は「通帳もキャッシュカードもなくした」と、事件とのかかわりを否定。その後、口座から金を引き出そうとする人物も現れなかった。警視庁では、メールの発信元をたどっているが、複数のサーバーを経由しているほか、アドレスも書き換えられており、発信者の特定に至っていない。

 一方、銀行では「受取人がいない以上、返金すべきだ」と判断し、すべての振込人への返却手続きをとった。口座から振り込まれたものについては、口座に返金したが、現金で振り込まれたケースなど一部についてはまだ、返金できていないという。

 国民生活センターなどによると、最近、メールなどで身に覚えのない利用料金などを請求される詐欺被害が相次いでいる。いずれも、不特定多数に短期間で大量の請求メールを送りつけるのが特徴だ。

 今年に入り警視庁に相談が寄せられたケースを分析したところ、振込先に指定されている口座は40種類以上が確認された。金融機関が口座の名義人に問い合わせても、偽名で連絡がとれなかったり、本人と連絡がとれても、「人に頼まれて口座を開設しただけで、何に使われているのかはわからない」などという場合がほとんど。捜査の動きを察知し、振り込まれた金が引き出されない口座も複数あるという。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030626-00000101-yom-soci

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