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2003年06月25日(水) 04時11分

<茨城・ヒ素汚染>井戸から5キロ先で旧日本軍が毒ガス実験毎日新聞

 茨城県神栖町の井戸水から有機ヒ素化合物(ジフェニルアルシン酸)が検出され健康被害が出た問題で、井戸から約5キロ離れた同県波崎町で1939年7月、旧日本軍による毒ガス弾発射実験があったことを示す資料が見つかった。神栖町付近で毒ガス使用が判明したのは初めて。この毒ガスは分解してもジフェニルアルシン酸にはならないが、この地域と毒ガスの深いつながりをうかがわせる。汚染の原因特定を目指す環境省の調査に影響を与えそうだ。

 資料は旧海軍の海軍技術研究所が39年12月に作成した「研究実験成績報告 特殊弾及化学兵器実験」で「極秘」とある。防衛庁の防衛研究所戦史室に保管されているのを、明治大大学院で日本現代史を専攻する松野誠也氏が発見した。資料は終戦直後、米国に押収されたが、58年に日本に返還されていた。

 資料によると、実験があったのは波崎町砂山(旧若松村)の平地約1.73平方キロ。現在の「波崎工業団地」とほぼ重なる。

 実験では、毒ガス弾9発を1〜1.5キロ離れた的に向けて発射し、散布範囲や周辺のガス濃度を調べた。的の10メートル以内にジュウシマツなどを置き、動物への影響もまとめた。毒ガスはイペリット24.3キロ、ルイサイト16.3キロで計40.6キロ。実験結果については「概(おおむ)ね良好」とした上で、「動物に対する効力」は「死亡率13% 傷害率96%」と記している。

 防衛庁戦史室は「極秘資料のつづり番号があり、信ぴょう性はかなり高い」としている。

 毒ガス問題に詳しい立教大の粟屋憲太郎教授は「毒ガス実験は繰り返されることが多く、波崎町でも何度も実施された可能性もある。周辺に毒ガスが常備されていたかもしれない」と話す。松野氏は「神栖町で検出された有機ヒ素系の実験があった可能性もある」と話している。【川上晃弘】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030625-00000173-mai-soci

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