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2003年06月24日(火) 00時00分

木の実の農薬で安心農業、小矢部園芸高生ムクロジの実をつぶして液を絞り出す生徒たち朝日新聞・

 ムクロジ、サイカチなどの木の実や葉を使った自然農薬を自分たちの手でつくろうと、小矢部園芸高校(小矢部市西中)の生徒と教諭が取り組んでいる。昨年の3年生2人が始めた研究を、今の2、3年生10人が引き継いだ。栽培法や抽出技術をさらに洗練させ、将来は実用化を目指している。

 ムクロジ科のムクロジ、マメ科のサイカチは、ともに江戸時代までは洗剤として活用されていた。物資不足だった戦時中にも場所により利用されていたという。ムクロジの実は、正月の伝統的な遊び、羽根突きの羽根の頭に使われることもある。

 昨年の3年生2人がそんな特徴に着目し、校内の課題研究で取り組んだ。高岡、砺波市内などに生えていたムクロジの木から実などを採集した。

 2人は、合成洗剤に代替できる石鹸(せっけん)を作り出すことに主眼を置いて研究。ムクロジの実やサイカチの葉からの抽出液は、水洗いだけよりはるかに高い洗浄性があることを実証した。

 一方、今年の生徒たちは、ムクロジの実が持つ別の働きに注目。抽出液をアオムシにかけると、数分で動きが鈍くなり、死んでしまうことが実験でわかった。

 「化学農薬の代わりにも使えるのでは」。生徒たちは19日、校内農園で栽培するナス、キュウリ、キャベツ、トマトなどに、ムクロジの液を薄めた水溶液をスプレーで吹きかけ、効果を検証する実験を始めた。作物ができる7月中旬ごろには、液をかけた野菜とかけなかった野菜の荒らされ具合を比較することで、「農薬」の効果がはっきりする。

 指導する宮腰秀明教諭(36)は「木の実から作る自然農薬と、有機肥料を組み合わせて、安全な野菜づくりができることを示したい」という。

 野菜を荒らす害虫は、アブラムシやコガネムシ類、チョウやガの幼虫である種々のアオムシなどが考えられる。ムクロジの液には界面活性剤の一種・サポニンと呼ばれる物質が含まれるが、虫が死ぬのにサポニンが影響しているかどうかを調べるのも今後の課題だ。

 3年生の鈴木貴弥さん(17)は「農薬として効果があるという予想通りの結果が出ればいいけど。植物でできる農薬を害虫駆除の実用化に結びつけたい」と話している。これから週2回、液を吹きかける。


(6/24)

http://mytown.asahi.com/toyama/news01.asp?kiji=3564

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