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2003年06月24日(火) 18時48分

債務者150万人分データで稼ぎ1億円 逮捕の名簿業者朝日新聞

 埼玉県の名簿業者が約6万人の多重債務者の個人情報を売り、貸金業者の違法な活動を手助けしたとして出資法違反(高金利)幇助(ほうじょ)の疑いで逮捕された事件で、名簿業者は少なくとも150万人分のデータを集め、暴力団が関係するヤミ金融業者らに売りさばき、1億円以上を得ていたことが警視庁などの調べでわかった。また、データを提供したコンサルタント業者は「大手消費者金融会社の情報も渡した」と供述。大手消費者金融側は情報の流出を否定している。

 警視庁生活経済課の調べによると、16日に逮捕された「三恵データサービス」経営富山潔容疑者(53)=埼玉県川越市=が名簿を集め始めたのは90年ごろ。当初は、中小の消費者金融会社の支店長クラスから、数百人分の顧客情報をもらっていたという。

 その後、富山容疑者は多重債務者の個人情報を手広く集め、「10人以上のブローカーらから仕入れた」と供述。仕入れ先の一つとされる首都圏のコンサルタント業者は、同課の事情聴取に「大手消費者金融から委託されて債権を回収していた。その際に知った顧客情報を売った」などと説明したという。

 別のブローカーは「『融資先紹介』のチラシや新聞広告を見て電話してきた債務者を、富山容疑者に知らせた」と供述。名簿業者同士で名簿を売買したり、貸金業者から債務者情報を買ったりすることもあったらしい。

 また、富山容疑者の会社や自宅からは「借入申込書(原票)」と呼ばれる文書も見つかった。個人の過去の借金や返済状況、勤め先、勤務時間などが詳しく手書きされており、同容疑者以外の者が作った可能性が高いという。

 押収された光磁気ディスク(MO)などには、延べ150万人分の個人情報が記録されていた。

 一方、個人情報を売った相手について、富山容疑者は「約100業者いた」と供述。指定暴力団山口組五菱会系の組員らが関与し、首都圏を中心に活動していた三つのヤミ金融グループも得意先だった。

 これらのグループはFC、TO、ARと名付けられていた。富山容疑者は99年春、FCグループのまとめ役だった上良泰介被告(30)=出資法違反罪などで起訴=の事務所を訪ね、直接売り込んでいた。それ以来、月2、3回、約1万人分ずつ売っていたという。

 値段は「原票」1人分が千円程度。はがきに住所、氏名を印刷したダイレクトメールの形なら、1枚五十数円だった。

 富山容疑者の口座には昨年末までの3年4カ月に計7500万円の入金があり、現金取引を合わせると1億円以上の売り上げがあった。うち約1500万円がFCグループからの入金という。

 上良被告は富山容疑者が持ち込むデータについて「内容が良い」と評価し、傘下の貸金業者にも使うよう指示。客が1店への返済のため別の店から資金を借りようとすると、すかさず傘下の業者が融資を持ちかける手口で、雪だるま式に借金まみれにしていた。(06/24 16:46)

http://www.asahi.com/national/update/0624/026.html

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