住民４人の尿からヒ素化合物を検出茨城・神栖町（東京新聞）

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2003年06月24日(火) 00時00分

　茨城県神栖町で旧日本軍の毒ガス成分によるとみられる健康被害が相次いでいる問題で、新たに別の井戸水を飲んでいた住民四人の尿から有機ヒ素化合物が検出されたことが二十三日分かった。

　四人が住むのは水質基準の四百五十倍のヒ素を検出した井戸から西に約一キロの地区。同地区では小学校のプール用井戸など計十四本の井戸で毒ガス成分が検出されているが、尿から有機ヒ素化合物を検出したのは初。

　茨城県は五月三日にこの地区の住民三十数人の尿を採取していた。今回はそのうち十人分の結果が分かり、四人に反応が出たため、県が口頭で伝えた。

　県の問診ではこの地区の住民に健康被害はないとされている。

　同地区の住民八人は二十三日、神栖町を訪れ、汚染源の特定や健康不安について早期の対応を求める要望書を提出した。

　要望書を提出した男性（５８）は「さかのぼって健康調査をしてほしい。地下水の流れを調べるべきだ」と話した。