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2003年06月20日(金) 23時09分

都市公団の分譲マンション約20棟で大規模欠陥工事朝日新聞

 都市基盤整備公団が89年から90年にかけて分譲した東京都八王子市内のマンション22棟に大規模な欠陥工事が見つかり、扇国土交通相は20日、「欠陥マンションを分譲し、社会的信用を失墜させた」として、公団の伴襄(のぼる)総裁を文書で厳重注意処分にした。公団は現在、補修工事を進めているが、22棟のうち3棟は「鉄筋が不十分で危険」として、建て替えをしている。公団はこれまでに全国で約28万戸の分譲マンションを供給しているが、これほど大規模な欠陥工事が判明したのは初めて。

 国交相の処分を受け、公団は技術監理担当理事と東京支社長の2人を厳重注意処分にした。総裁は給与10%を2カ月間、理事は同1カ月間それぞれ辞退した。一方、建て替えとなった3棟を施工した山岸建設(横浜市鶴見区向井町)=民事再生手続き中▽大和建設(東京都文京区湯島)=同▽太陽建設(東京都新宿区大久保)を6カ月の指名停止、工事を監督した市来崎建築事務所(東京都港区赤坂)を2カ月の指名停止処分にした。

 公団や関係者によると、欠陥工事が見つかったのは、東京都八王子市内にある団地型の分譲マンション。管理組合が、分譲10年後の大規模修繕工事にとりかかろうと建物を調査した00年4月ごろから、コンクリートの外壁などでひび割れなどが相次いで見つかったという。

 この団地内に建設された分譲マンションは46棟(919戸)で、工事は43業者が受注した。公団は順次調査を進めており、これまでに24棟を調査した。その結果、2棟は異常は無かったが、指名停止になった3社を含む24業者が工事した22棟(417戸)で欠陥工事が判明したという。

 調査では、欠陥工事は主に、屋根や壁などのコンクリートにひびが入るなどの「コンクリート充填(じゅうてん)不足」▽コンクリートの厚さが十分でない「かぶり厚不足」▽鉄筋が設計通りに入っていない「配筋不足」——などとしている。

 欠陥工事が判明した22棟は現在、補修工事を実施中。うち3棟は構造上大きな問題があるとして、基礎部分を残して建て替えをしている。建て替え中の3棟の居住者を中心に、約250戸が周辺の賃貸住宅などに仮移転している。

 欠陥工事の原因として、公団は(1)複雑な設計で高度な技術が要求された(2)工事がバブル期で技術者の確保が困難だった(3)工期に間に合わせるため分割発注をしたため、技術水準が低い業者が受注した(4)公団の施工管理が不十分だった——などをあげている。

 残りの22棟について、公団は管理組合と協議しながら調査を進める方針だ。また、すでに欠陥が判明した22棟も、コンクリートの充填方法に「手抜き」がなかったなどを詳しく調べるとしており、いずれの調査でも「新たに欠陥や手抜き工事の内容が確定した段階で、指名停止などの措置をとる」としている。

 一方、公団は、全国の同時期に分譲したマンション8085戸や、欠陥工事が判明した22棟を工事した業者がかかわった全国のマンション3300戸を調べたが、「問題はなかった」としている。(06/20 21:44)

http://www.asahi.com/national/update/0620/022.html

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