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2003年06月18日(水) 12時20分
６月１８日付・よみうり寸評（読売新聞）〈職業に貴賤（きせん）はないと思うけど、生き方には貴賤がありますねェ〉——横行するヤミ金融の度外れた振る舞いなど、恥知らずの面々に聞かせたい言葉だ◆永六輔さんの著「職人」（岩波新書）に出てくる。モノをつくる職人さんだからこそ言える知恵に満ちた言葉集の一つだ◆職業で人をさげすむなどは恥ずべきことだから〈賤業〉という言葉は死語となった。が、職業に貴賤なしをいいことに、あるいは曲解してか？ とんでもない仕事を業とする者が少なくない。冒頭の言葉を借りれば、卑しい生き方が業に表れると言うべきか◆大阪・八尾のＪＲ関西線で心中したとみられる夫婦ら三人はヤミ金融業者の取り立てに追い詰められていた。法の上限をはるかに超えた高金利、「殺すぞ」と脅すわ、近所にまで電話をかけまくるわの執ようさ◆ヤミ金融の出資法違反事件が急増している。違法な高金利は年数千、十数万％にも及ぶ。そのうえ取り立てにからむ暴行、脅迫……。そんな業者に多重債務者の名簿を売る業者も山といる◆〈賤業〉は死語でも実体は生きている。 |