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2003年06月17日(火) 13時14分

府警「闇金に追いつめられ自殺」と断定 大阪の3人死亡朝日新聞

 大阪府八尾市のJR大和路(関西)線踏切付近で14日未明、同市内の夫婦ら3人が電車にはねられ死亡した事故で、大阪府警は夫婦が東京の無登録のヤミ金融業者から強引な取り立てに遭い、精神的に追いつめられて心中したと断定した。この業者をめぐっては被害相談が相次ぎ、府警はヤミ金融の中でも手口が悪質とみて情報収集を始めたばかりだった。

 死亡した清掃作業員の夫(61)と妻(69)が借金返済に悩み始めたのは4月の終わりごろ。夫婦が住む団地を男が訪ね、ドアを執拗(しつよう)にたたいては「開けろ」と怒鳴り続けたこともあった。

 同じ棟の主婦は3人が死亡した数日前、業者からの電話を受けた。「お前も連帯保証人だ。金を返すよう夫婦に言え」。保証人になった覚えはない。無視していると再度電話があり、「夫婦に言ったか」と確認された。業者は一緒に死亡した妻の兄(81)や他の住民にも電話をかけまくっていたという。

 主婦は妻に頼まれて数万円貸していた。事故前日の13日午後、妻が金を返しに来て「変な電話がかかってきてるんじゃない? ごめんなさい」とわびた。「こんなことになるなら、急いで返済してもらわなくてもよかった」と主婦は話す。

 この日、妻は家賃と駐車場代を含め、現金2万2000円を入れた封筒を管理人室のポストに投げ入れている。便箋(びんせん)には「管理人さん、お世話になりました」とあった。「これから死のうとしているのに、あまりに律義や」と管理人の男性(58)は声を詰まらせる。

 夫婦の生活は苦しかった。夫は足が悪く、仕事も休みがちだった。妻はパートや人形作りで生計を支える傍ら、昨年まで団地の役員として、ごみ袋を入居者に配るなどの世話係をしていた。

 そんな時、かかってきた業者からの電話。妻は親しい知人にこう打ち明けていたという。「生活費の足しにと1万円ちょっと借りた。短期間で返せば2000円程度にしかならないということだったが、気がついたら利息を10万円以上払っていた」

 法外な利息が雪だるま式に膨らんだらしい。八尾署にも相談したが、事態は解決しなかった。5月12日に署を訪ねた妻に、署の担当者が法定金利を超えていることを告げた。妻は「自分で対応します」と言って帰ったという。

 20日、妻は兄を伴って担当者に再度面会し、「業者に電話したが、完済に応じてくれない」と訴えた。担当者がその場で業者に連絡すると、業者は「それは勘違いでしょう。すでに完済されている」とうそをついた。

 それから約3週間後、3人は自ら命を絶った。

 夫婦の部屋には、持ち主がいなくなったテレビやタンスにそれぞれ紙が張られている。「お世話になった○○さんに分けてください」などと書かれているという。(06/17 10:41)

http://www.asahi.com/national/update/0617/007.html

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