悪のニュース記事

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2003年06月14日(土) 19時53分

[こえ]プライバシー/下 /愛知毎日新聞

 ◇個人情報の悪用危機感を持って−−高校生・田中亨平・23(大垣市)
 プライバシーという言葉をここ数年、よく耳にする。その背景には、住基ネットなどから個人情報が不特定の人の手に渡り、犯罪や悪徳商法に利用され、不利益を受ける恐れがあるということがある。
 たとえば携帯電話のメール。いつでもどこでも、簡単に気軽に情報を手に入れることができる。しかし、発信した途端に無防備になり、自分の知らないところで、勝手に使われる。
 また、自分の全く利用していないサイトからメールが届いたりする。迷惑メールぐらいのことなら相手にしなければよい。しかし、松本サリン事件のKさん一家のように、人が幸福に生きる権利を脅かされるようなことがあってはならない。
 プライバシーという言葉が意味をなさないくらい個人情報がはんらんし、日常のように悪用される今日、一人一人が個人を尊重する意識を強く持ち、個人情報への危機感をもって、対していかなければならない。
 ◇向こう三軒両隣隣組をもう一度−−会社員・竹内祐司・40(刈谷市)
 ある雑誌の調査で、日本の中で危険な都市と、そうでない都市が発表された。危険な方は、やはり関東の都会だった。安全な方は沖縄がランキングされていた。その理由についてコメンテーターは、“どれだけ地域の中で個人同士が結びついているかの違いだろう”と語っていた。つまり、昔でいえば、向こう三軒両隣、隣組の世界である。
 いまの日本人は、そうした向かいのおばさんが、うちの兄弟の性格や仕事先、付き合っている人がいるかどうかなどを知り尽くしている社会が嫌で、近所づきあいをしない道を選んだ。それがいいほうに作用していることもあるが、文字通り“隣は何をする人ぞ”の社会は、犯罪と無関心を増大させてしまった。
 確かに、根掘り葉掘りプライバシーに頭を突っ込まれるのも困ったものだが、もう一度、“向こう三軒両隣”くらいは復活させてもよいのではないかなあと思えてくる。
 ◇無意識のうちに侵害することも−−公務員・松下智治・55(豊川市)
 「〇〇社の△△です。本日は営業のごあいさつで、お電話を差し上げました」などと言って、投資やマンション経営などを勧める電話がかかってくる。全く覚えのない業者で、何らかの形で流出した私の電話番号を手に入れ、かけてきたものと思われる。
 一方、心当たりのないダイレクトメールも届く。電話のように、仕事に疲れている時や忙しい時に対応しなくてもよいのはいいが、見ずに捨てることも多い。ごみが増えるだけで、環境にやさしい生活が叫ばれている現在、これまた問題である。
 ところで、5月23日には「個人情報保護関連5法」が成立した。きっと、このような迷惑電話や、無駄なダイレクトメールは減るに違いない。ただ一方では、時として私たちも知らずに、同じようにプライバシーを侵害してしまうことがあるように思う。
 この機会に、一人一人がこの大切さを認識し、守るようにしたいものである。
 ◇個人情報の流出防止する手段は−−高校生・箕浦卓也・18(岐阜県神戸町)
 現代は、個人情報が本人の知らないうちにインターネットなどを通して外へ漏れ、販売に利用されたりする。私の家にも、いろいろなダイレクトメールが送られてくる。
 いつの間にどんな方法で、私や家族の情報を得たのか聞いてみたい。実際には、漏らしたのが誰なのか、全く分からない。
 住基ネットが始まり、個人情報を守るための法律が成立したが、完ぺきではない。自分の人権やプライバシーを侵すような情報が流出しないようにするには、自分自身で防衛するしか方法はないのだろうか。
 でも、どうしたら守れるのか、分からない。
 ◇被写体に断ってナイスショット−−無職・奥野喜久雄・62(名古屋市名東区)
 私は写真コンテストによく応募している。応募細則には最近、「写真の撮影公表で第三者の肖像権を侵害することのなきよう」と、プライバシーを保護することが多い。
 私は他人を撮影する時は盗撮せず、必ず被写体になる人に「撮らせてね」と断る。構えられて、困る時には「いい顔撮らせてもらいました、コンテストに出せるかも……」と問いかけ、「1枚お送りします」と、こちらの名前、住所を相手に示すことにしている。
 コンテストで上位入賞をして、本人、関係者がそれを見て、気分を害するようなことが過去にあったので、それなりに努力している。「可愛い、きれいだから1枚!」、相手がもし「嫌です」と言えば、あきらめて撮らないことだ。
 すべてをクリアしてからのナイスショットであれば、女神は“金賞”のご褒美を下さる——。そう思って撮影しているし、写友にもうるさく言っている。
 ◇犯罪者の家族を延々放送許せぬ−−高校生・桝本一三・24(大垣市)
 芸能人のプライバシーを調べて、テレビ・雑誌などで、面白おかしく取り上げている。嫌な気がする。
 それを見たり読んだりして喜んでいる人たちや載せる側にも問題がある。仕事だから、読者がいるからといっても、どこまでやっていいのか、その限度ぐらいわきまえてほしい。
 中でも一番許せないのは、犯罪者の家族たちをネタにして、しつこいくらい長々とテレビで放送し続けるテレビ局の人たちだ。偽善者が、いかにも正義を振りかざしているようで、耐えられない。
 情報の受け手であり、発信者でもある私たち自身が、その方向を誤らないように、プライバシーは何なのか、もう一度よく考えることが必要だろう。
 ◇個人財産の情報漏れてたら大変−−老人会役員・柴田昇二・79(名古屋市千種区)
 年齢や家族構成、病歴の情報が漏れたとしても、私は大したことではないと思っているけれど、個人財産の情報が漏れたとしたら、これは大変なことだと思う。
 それでなくても老人の家を狙うインチキ商法やひったくり、強盗の多い昨今、この対策は真剣に考えねばなりますまい。
 妻は訪問販売には「全部、主人が仕切っていますから、私に話をしても無駄。名刺だけもらっておきます」と返事をするとか。お金は必要最小限しか持たない。通帳類は家におかないなどの対策をして泥棒や火事にも心配のないようにしたい。
 いずれにしても「平和日本」というのに、老人にとって物騒な落ち着かない世の中になったものだ。うかうかぼけてもいられない。
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 ◇次回テーマは「資格」
 「プライバシー」の次のテーマは「資格」。あなたは何か資格を持っていますか? 就職を有利にするため資格取得に躍起になる人も多いと聞きます。これからとりたい資格やその理由、資格を生かして好きな仕事をしているという人など、たくさんのご意見をお待ちしています。締め切りは6月18日(水)消印有効。
 本文200〜400字。添削することがあります。匿名、仮名、二重投稿はご遠慮下さい。〒住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記し、封書で。送り先=〒460—8351 毎日新聞中部本社報道センター「こえ」係。ファクス=052・350・3571、電子メール=voice_m@maing.co.jpでも受け付けます。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030614-00000002-mai-l23

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