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2003年06月14日(土) 14時42分

有名ブランドの紙袋、勝手に加工しハンドバッグに読売新聞

客の持ち込んだブランドの紙袋(左)を注文に応じて加工したかばん
   エルメスやシャネル、ルイ・ヴィトンといった海外有名ブランドの紙袋を、勝手に加工したハンドバッグなどが出回っている。1万—2万円台の加工料で「数か月待ち」も出る人気だが、これに各ブランドが「商標権の侵害」と激怒、加工業者に警告書を送るなど対抗措置を取る騒ぎとなっている。

 こうした加工品は「リメーク品」と呼ばれ、海外ブランドの店で買い物をした時に商品を入れる紙袋が“原料”だ。「自分だけの“ブランド品”が安く手に入る」「面白い」などの理由で受け、今年初めから関西を中心に急速に広がってきた。

 業者の数は把握できないが、注文はインターネットを通して受け付け、客から紙袋を送ってもらって加工するところが多い。紙袋に描かれたブランドのロゴや文字を生かすのがポイントで、紙の表面をビニールで補強したり裏布を張ったりして、様々な形のハンドバッグに作りかえる。

 業者の多くはバッグなどの製造や再生加工を行う小規模な事業所だ。一時は加工待ちが続出する人気だったという。

 こうした動きに、各ブランドは素早く“反撃”を開始。4年前、ブランド品の包装用リボンを携帯電話のストラップに加工、販売した業者が摘発された事件もあり、「商標権を侵害する悪質な偽造品」として、業者に警告書を送りつけるなどの措置を取り始めた。

 また今春には工業所有権などの国際保護を目的とするフランスの公益社団法人で、欧米の約70社が加盟する「ユニオン・デ・ファブリカン」東京事務所でも、悪質と判断した業者数社に、直ちに製造・販売をやめるよう要請書を送った。

 各ブランドとも「個人で楽しむ範囲を超え、ロゴなどの商標で不当な利益を得ている」と主張。堤隆幸・同事務所長は「企業の創造性を踏みにじる行為。断固とした姿勢で臨む」と話す。

 警告書で注文の受け付けをやめた業者も多いが、人件費の安い中国に仕事を奪われ、業績が悪化していた中での降ってわいた“特需”に、新たに参入する業者もあり、いたちごっこが続いている。大阪府内の業者は「あくまでお客の注文に応じただけ」と言う。

 ファッション業界の知的財産権に詳しい弁理士の渡辺知子さんは「有名ブランド好きの日本ならではの出来事で、欧米では考えられない。『知的財産立国』を叫ぶのなら、作る側、買う側の意識も高めなければ」と話している。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030614-00000205-yom-soci

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