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2003年06月13日(金) 03時11分

有料老人ホームの不当表示例示す 公取委、誇大広告対応朝日新聞

 公正取引委員会は12日、誇大広告が後を絶たない有料老人ホームの表示の規制を強化するため、景品表示法に抵触する不当表示の事例(案)をまとめ、専門家で構成する検討会に提示した。介護が必要となった場合に、個室から相部屋に移るなどの条件変更や、介護・看護などの専門職がいると宣伝する時は、その人数−−などを明示すべきだとする趣旨。ホーム側は都合の悪い情報も開示せざるをえなくなり、お年寄りや家族が施設を選ぶ手がかりとなりそうだ。

 公取委は現在、景品表示法4条3号に基づく指定不当表示の対象に有料老人ホームを加える方向で検討している。これは入居者に誤認される恐れのある事例をあらかじめ示しておいて、違反すれば取り締まる制度だ。

 この日開かれた検討会には、(1)居室の住み替え(2)介護・看護職員体制(3)設備の3項目に関する不当表示例が示された。

 有料老人ホームでは、個室に入っていても、介護が必要になった場合に相部屋の介護居室に移り住むケースがある。厚生労働省は昨年、有料老人ホームに対する標準的な指導指針を改定し、一般居室だけでなく介護居室も個室にすることにした。現実には既存施設で相部屋が相当数残っており、条件変更についてきちんと示していないホームが少なくない。

 公取委の案では、居室面積が減ったり、条件の悪い部屋に移った後も前もって一括払いした入居一時金(部屋代に相当)が一般居室にいたときと同じように償却(減額)したりする場合に、ホームはそのことを明示しなければならなくなる。

 介護・看護職員の配置についても、事務や警備担当者の数まで含め、あたかも手厚い体制をとっているように見せるホームがあると言われる。

 このため、介護・看護職員数に兼務職員が含まれている場合には、「もっぱら介護に従事する職員」の数を明示することが必要になる。夜間に配置される最少職員数や有資格者ごとの人数なども明示することが求められる。

 一般的に有料老人ホームは、元気なときに居室などの終身利用権取得のために数千万円の一時金を払って入居する。入居金が高額なため、いったん入居すると退去が難しく、介護が必要になると事業者側との対等な交渉は難しい。

 補助金で建設される特別養護老人ホームの待機者が増える中、有料老人ホームの需要は高まっており、現在全国に約500施設ある。

 公取委の案が実施されれば、ホーム側は設備の充実を迫られる。また、介護体制に関する表示規制が強化されれば、最近増えている介護専用型ホームの質を比較するうえでも参考になりそうだ。

   ◇

<有料老人ホームの不当表示例>

(1)居室の住み替え

 ・介護が必要になり一般居室から相部屋の介護居室に住み替える時に(1)部屋の面積が狭くなる(2)一般居室の権利がなくなる(3)入居一時金が一般居室にいたときと同様に償却(減額)される−−といった権利の変更があるのに、明示されていない

(2)介護・看護職員体制

 ・介護を行う職員数の中に介護に専従する介護・看護職員以外の兼務職員数を加えているのに、専従職員数を明示しない

 ・夜間における最少の介護・看護職員数を明示しない

 ・介護・看護職員数の中に要介護者以外の入居者に対する介護サービスを行う職員が含まれているのに、要介護者向けの介護に従事する職員数を明示しない

 ・看護師、介護福祉士など介護・看護に関する有資格者がいることだけを表示し、各人数や配置状況を明示しない

(3)設備

 ・隣接の医療機関の機能訓練室など、ホームが設置した施設でないことを明示せずにパンフレットなどにその写真を掲載

 ・食堂と兼用の機能訓練室などについて専用施設でないことを明示しない(06/13 03:10)

http://www.asahi.com/national/update/0613/003.html

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