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2003年06月13日(金) 16時12分

<一流ホテル>都心の空き室をネットで安売り毎日新聞

 価格破壊の波が、都心の一流ホテルにも押し寄せている。景気低迷に加えて今春はイラク戦争、新型肺炎の三重苦。そこで空き室対策として頼り始めているのがインターネット予約だ。出張サラリーマンや安いなら泊まるという「衝動泊」を狙って、客室のネット安売りは続く。【今井文恵】

     ■1万円の差

 横浜市内のホテルに衝撃が走ったのは5月15日だった。同市内の国際総合競技場で開催予定のサッカー東アジア選手権が、新型肺炎「重症急性呼吸器症候群」(SARS)のためわずか2週間前に延期と決まったのだ。インターネットのホテルの予約サイトではまもなく、大会期間中の空き室放出が始まった。半額は当たり前。中には通常3万9000円のツインを1万円で提供する一流ホテルも現れた。

 「間近になっての大量キャンセルなので、かなり割安。それでも空き室のままにするよりいい。逆に『こんなに安いなら』と東京から泊まりに来た“衝動泊”の人もいた」。全国の一流ホテルや旅館約450軒が登録する予約サイト「一休」を運営するプライムリンク(東京都)の営業企画、浅井慶三さんは言う。

 利用者はサイトにアクセスし、画面で客室の広さなどを見て予約する。眺望のよくない客室、下層階だと安い。土曜と日曜では1万円の差がつく場合もある。

   ■「野菜と同じ」

 ネットを利用するホテルの予約サイトは、手軽さと割引率がうけてここ数年で急増。いまでは数十サイトある。5月の横浜のような大規模な放出事例は珍しいが、ホテルは今春、客のキャンセルに苦しみ毎日、少しずつ割引してネットに出してきた。客室や部屋数はホテル側が決定する仕組み。成約した際にのみサイト側に仲介料が入る。「正規料金の客との関係で大量には出せないが、空き室は避けたい。売り残せない、スーパーの野菜と同じ」(浅井さん)

 不況による慢性的な宿泊客不足に追い打ちをかけるように、今春はイラク戦争、SARS禍と続いた。「海外からのビジネス客や観光団体のキャンセルが痛かった」(ホテルの広報担当者)。東京都内の主要ホテルの稼働率は今春、前年比で1〜2割落ちているという。

   ■「時間貸し」も

 さらに、07年までに都心では九つの有力ホテルが開業を予定している。客室数は今後3000室以上増える。宿泊客争奪戦の激化は必至だ。

 「バブルのころは黙っていてもお客さんが来ましたが、今は飛行機の座席も安売りする時代。ホテルも例外ではありません。格式、ブランドという建前で『安売りはできない』というのはあっても、本音では空き室を埋めたいんです」。ホテルジャーナリストの永宮和美さんは言う。

 女性客をターゲットにしたプランを充実させたり、これまでの一流ホテルではタブーだった「時間貸し」を始めるところも出てきた。どこも必死なのだ。永宮さんは「客側からすれば、上手に使えば、安い予算で一流ホテルでゆっくり休日を過ごすこともできる。選択の幅は増えています」と話している。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030613-00001084-mai-soci

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