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2003年06月10日(火) 07時04分

山形県立病院 医療過誤26件 不注意ミス目立つ河北新報

 山形県立病院で2002年度、病院側の過失によって起こった医療事故が26件に上ることが9日、河北新報社が情報公開請求で入手した資料で分かった。昨年9月作成の医療安全管理基本マニュアルで報告基準の一元化されたことを反映し、件数は01年度(13件)の2倍を記録。死亡や重度の後遺症が残った事例はなかったが、手術中に患者の体内にガーゼを忘れた事例など、不注意による過誤が目立った。

 病院ごとの内訳は、県立中央病院(山形市)13件、日本海病院(酒田市)6件、河北病院(河北町)5件、新庄病院(新庄市)2件。鶴岡病院(鶴岡市)からの報告はなかった。

 情報公開で入手した報告書によると、県立中央病院で昨年10月、患者の手術中にガーゼを体内に忘れ、6日後に除去。河北病院でも同年11月に同様の事例があり、医療用具を患者の体内に忘れる不注意が後を絶たない。
 注射や投薬時のミスも見られた。県立中央病院で昨年4月、不必要な注射をした過誤が発生。日本海病院では今年2月に投薬が誤って血管に入り、一時呼吸停止になった事例があった。

 02年度の過誤はすべて「軽・中度の後遺症が残り、治療が必要」(レベル3)。事例ごとの公表が原則の「死亡した」(レベル5)「高度の後遺症が残り、治療が必要」(レベル4)はなかった。レベル2—0に当たる治療が不必要な事例、適切ではない治療をする前に気付いた事例は公表していない。

 県は今年2月、医療事故のレベルに応じて6段階に分けた公表基準を定めた。02年1月末までの事例は、この基準に基づいて病院から県に報告された。
 昨年9月には、県民への情報公開の必要性などを目的に、医療安全管理基本マニュアルを作成。医療事故が起きた場合の県立病院から県への報告体制を規定した。このため、報告件数が急増したとみられる。
 県病院事業局は「これまで病院ごとに不明確だったものが、マニュアルや公表基準などを定めたことで変わってきたのではないか」と説明している。

◎02年度下半期医療過誤/HPで1件公表漏れ/県病院事業局
 県立病院で2002年度下半期(02年10—03年3月)に起きた医療過誤について、県病院事業局がホームページ(HP)上で公表した医療事故状況に対象となる事例1件が未掲載だったことが、9日分かった。事例を報告する病院と、それを確認する同事業局がともに対象事例に気付かなかった。同事業局は「チェックが甘かった」と言い、未掲載の事例も載せるとしている。

 同事業局などによると、未掲載の事例は県立中央病院(山形市)で昨年10月28日に報告があった医療過誤で、体内に置いたカテーテルが切断されていた。
 病院は事例自体を「軽・中度の後遺症が残り、治療が必要」(レベル3)で過失を伴う事例として認識していたが、医療事故状況をまとめる際、この事例を見落とし、県病院事業局へ報告をしなかった。さらに、報告を受けた同事業局も事例を見逃した。

 同事業局は「公表する案件について確認できなかった。チェックを強化するしかない」と述べた。
 レベル3の医療過誤は半年ごとにまとめられ、HPなどで公表される。02年度下半期分11件は4日付で同事業局県立病院課のHPに掲載。事例の時期や概要、患者の性別・年代が示されている。
[河北新報 2003年06月10日](河北新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030610-00000003-khk-toh

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