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2003年06月08日(日) 00時00分

節電器「説明通りの効果ない」 「被害者の会」結成信濃毎日新聞

 電気料金が大幅に安くなると売り込まれて買った「節電器」に説明通りの効果がないとして、県内を含む全国二十二道府県の飲食店など三十二事業者が七日までに、「被害者の会」を結成した。この節電器の販売をめぐっては、長野地裁をはじめ全国で契約無効などを求める訴訟が起こされ、原告勝訴の判決が相次いでいる。六道県の弁護団が詐欺容疑での告訴・告発の準備を進めており、県内でも弁護士が被害者説明会の準備を始めた。

 この節電器を販売したのは、約二十億円の負債を抱えて、現在任意整理中の「アイディック」(本社・東京都、船原新社長)。被害者の会によると、全国の中小事業者を中心に節電器「省電王」十万台程度が、主にクレジット契約で販売された。配電盤の横に設置して供給電力を通すことで、電圧を一定程度下げるという仕組み。「三割以上節電できる」「効果がなければ代金は返す」との触れ込みで、一台百数十万—数十万円で販売されたが、「説明通りの節電効果はない」(同会)という。

 ほとんどが事業者間の売買契約のため、一定期間内に無条件で解約できる消費者契約法の「クーリングオフ」や割賦販売法の「抗弁権」の適用外。アイディックは返品に応じず、多くの事業者へクレジット会社から支払い請求が続いている。

 アイディックは、省エネを保証した上でエネルギー供給施設の建設、管理を請け負う事業者「ESCO」(エネルギー・サービス・カンパニー)の推進協議会会員ではないが、被害者の会は「セールスの際にESCOという文言を使っていた」と指摘している。

 被害者の会に参加した長野市内の飲食店経営者(33)は昨年五月、電灯用と動力用の節電器二台計百十万円余を六十回の分割払いで契約。「ESCO推進業者と言われ、信用した」という。三カ月ほど試したが効果がなく、返金を求めたが、アイディック側が取り合わないため、契約の無効などを求めて長野地裁に提訴。アイディックは答弁書を提出せず、今年三月に原告勝訴の判決が確定した。

 被害者の会には全国から約千四百件、クレジットの利息分を含め計十億円余分の相談が寄せられている。県内からの相談は二十件ほど。購入額の全国平均は五十三万円だが、県内では百万円以上の購入も目立つ。相談が多い道県で弁護団が結成され、詐欺容疑での告訴・告発のほか、詐欺的セールスと知りながら契約者に支払いを求めたのは違法とし、クレジット会社を相手にした支払い済み代金返還請求の集団訴訟を準備している。長野市の飲食店経営者も同様の訴訟を準備中。

 アイディックの代理人の弁護士は「節電器に20%程度の節電効果はあると聞いている。三、四割の節電というのは営業担当者が実績を上げるためのオーバーセールスだった」と話している。

 相談は札幌市の被害者の会事務局(電話011・756・2713)で受け付けている。

http://www.shinmai.co.jp/news/2003/06/08/010.htm

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