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2003年06月05日(木) 17時14分

三井住友銀、顧客の個人情報をJTB関連会社に提供朝日新聞

 三井住友銀行(本店・東京)は、海外の提携金融機関で使える国際キャッシュカードを申し込んだ人の情報を、本人の明確な同意を得る手続きなしに大手旅行会社JTB(本社・同)の関連会社に提供してきた。同行は「JTBを通じたサービス提供に同意頂いており、情報提供にも同意を得ていると考える」とするが、顧客の指摘を受け、近く申込書を改め同意欄を設ける方針。個人情報保護法が成立する中、専門家からは大量の個人情報を扱う金融機関の業務のあり方を問う声が出ている。

 前身の一つのさくら銀行と、JTBが98年1月に国際キャッシュカードサービスに関する業務提携契約を結んだ。これに基づき、利用申込書に書かれた住所▽電話番号▽氏名▽性別▽生年月日▽銀行の口座番号などを、JTBグループの金融機関との窓口「バンカーズパートナー」を通じ「JTBパルサービス」(本社・東京)に提供。同社はこれを受け、国際電話後払いサービスの利用法などの案内を郵送していた。

 三井住友銀行によると、申込時に行員はJTBのサービスを利用できることを資料で紹介することになっている。だが、「氏名や住所をJTB側に提供する」といった表現で説明する決まりはなく、申込書にも同意を求める記載はない。

 5月20日、京都支店(京都市)でカードを申し込み、パルサービスから案内を受け取った自営業者が「身に覚えのない郵便物が届いた」と同行に抗議し、情報の削除を要望。同行は「窓口で説明資料を渡さなかったなど不備があった」と謝罪した。同行とJTB側は29日に善後策を協議。JTB側は自営業者の情報を削除し、案内の発送を中止した。

 バンカーズパートナーは「本人への断りなしに個人情報を当方に提供していたとしたら、あってはならないことだ」としている。

 同行と同様、JTBグループと国際キャッシュカードサービスで提携しているみずほ銀行は、申込書に情報提供への同意欄を設け、押印してもらう方式だ。

 三井住友銀行広報部は「JTBを通じたサービスの提供に同意頂いた以上、サービス提供に必要な情報の提供にも同意を頂いていると考える。今回の京都支店での手続きミスの事実を踏まえ、再発防止策として申込書を改訂する方向で検討している」と話す。

 一方、個人情報問題に詳しい堀部政男・中央大教授(情報法)は「個人情報の第三者への提供が許されるのは、どのような目的があって提供するのかを明確に示し、同意を得た場合だけと考えるべきだ。個人情報保護法が成立した現在、銀行側は信頼の回復のためにも、慣行を続けるのでなく、同法の趣旨に沿って業務を改善すべきだ」と指摘している。(06/05 17:14)

http://www.asahi.com/national/update/0605/023.html

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