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2003年06月05日(木) 15時11分

<心臓ペースメーカー>体内でショート、輸入会社通知せず毎日新聞

 今年3月、心臓ペースメーカー(PM)が製造ミスにより体内でショートし、停止する重大な事故があり、厚生労働省から関係医療機関への通知を指導された輸入販売会社「ゲッツブラザーズ」(東京都港区)が指導を守らず、内部処理していたことが5日、分かった。患者は高齢の男性で別の機種と交換する手術を受けて一命を取り留めたが、事態を重くみた厚労省は、同社に詳細な事故報告を求め、国内で扱った同型機器約8000台の調査・点検を指示した。

 事故があった大阪市内の総合病院の説明によると、欠陥があったPMは米国セントジュードメディカル社が製造した「アフィニティDR」。植え込み手術は、昨年10月に行われたが、今年3月、患者の容体が悪化。PMが遠隔操作に反応せず、完全に停止していた。医師は患者に事情を説明してPMを交換する再手術をした。

 摘出したPMをゲ社に渡して原因調査を求め、厚労省へ事故報告をした。同社はその20日後、「本体接合部分に0.4ミリから0.07ミリの穴があった。溶接の不備で体液が入った。検品に落ち度があった」と回答。医師は、穴の開いたPMを放置すれば、「体液と機械内部のリチウムやシリコンと混じり、感染症などさらに重篤な事態を招く恐れもあった」と指摘した。

 しかし、同社が厚労省に出した報告では、このモデルが98年以降に20万台製造され、同様の報告例がないことから製造工程に不備はないと断定。事故情報の公開や製品のリコール(交換・回収)はしなかった。当該患者については「重篤な健康被害なし」と結論付けていた。この報告書の内容は事故を処置した医師の了解なしに提出されていた。

 ゲ社は、その後も点検の対象を、事故機器と同日に製造され同じ担当者が検品した42台に限定。定期検査に立ち会う社員が、患者の情報収集をしていた。

◆2例目考えられず

 ゲッツブラザーズの話 2例目の不具合は考えられなかった。厚労省の指導は、医師への情報提供は不要な不安をあおるため、社員に周知させることで合意していたと解釈している。

◆理解に苦しむ対応

 厚労省安全対策課の話 関係医療機関へリスク情報を提供するよう指示した。患者の経過観察を医師以外に誰がやるのか。(ゲ社の解釈は)不自然で理解に苦しむ。同社に再度情報提供を指導すると同時に、同型機器全約8000台について監視するよう求めた。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030605-00001069-mai-soci

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