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2003年06月04日(水) 17時40分

仕事激減で苦境に立たされる米国のフリーランサーたちWIRED

 米国内2500万人におよぶフリーランサーにとって、労働市場は今よりさらに縮小しそうだ。今月末、フリーランサーの仕事仲介サイト『 http://www.guru.com/ グル・コム』がサービスを終了する。

 グル・コムを運営する米グル・ワールドワイド社は登録フリーランサー、通称「グル」(Guru: 導師)たちに、6月30日(米国時間)にサイトを閉鎖すると、電子メールで知らせた。

 メールは、手短に次のように述べている。「4年間、求職者と企業の人材マッチングのニーズにお応えしてきました。しかし残念ながら、このたび2003年6月30日をもって、サービスの提供を終了させていただくことになりました」

 グル・ワールドワイド社は昨年、人材採用ソフトウェアシステムの提供企業、 http://www.unicru.com/ 米ユニクル社に買収された。ユニクル社によると、買収計画の一環として、同社は最初からグル・コムの閉鎖を考えていたという。しかし、買収の事実はこれまで公にされていなかった。このため今回の電子メール通知は、仕事を探す情報源としてこれまでグル・コムをあてにしてきた多数のフリーランサーを驚かせた。

 フリーランス・ウェブデザイナーのダイアン・コネル氏は、夫の分も合わせて、仕事の契約の半分近くをグル・コムを通じて手に入れてきた。「不意をつかれた。連絡はこの電子メールだけだった。事前にわかるような警告も全くなかった」

 個人で外注契約を取り付けて働いている多数の人が、職探しの場がなくなりつつあると感じている。コネル氏も同じような印象を持っている。。フリーランサー用掲示板でも、仕事の呼び込み方法のアドバイスを求める書き込みがあちこちに見られる。『アンツ・コム』や『イーウォンテッド・コム』といったグル・コムの競合サイトは、掲示される仕事件数が底をついたため、すでに閉鎖してしまっている。

 このような現在の傾向は、フリーランサー主導の経済が実現するという予測が近視眼的だったことを示唆している。この予測は、かつてダニエル・ピンク氏が著書『 http://www.freeagentnation.com/ フリーエージェント社会の到来——「雇われない生き方」は何を変えるか』[邦訳ダイヤモンド社刊]で示し、マサチューセッツ工科大学(MIT)のトーマス・マローン氏とロバート・ローバッカー氏が1998年の論文「イーランス経済の夜明け」(The Dawn of the E-Lance Economy)でも指摘している。

 2000年、ミシガン州ランシングに本社を持つ調査会社の米EPIC/MRA社は、2010年までに米国民の41%が個人契約の労働形態になると見積もっていた。しかし現在、 http://www.bls.gov/ 米労働統計局の報告によると、自営業者の数はここ4年間で全く伸びていないという。

 その間、提示される仕事の件数が減り続けており、フリーランサーたちは数の減った低賃金の仕事をめぐって競争せざるをえなくなっている。

 大勢のフリーランサーが、市場にわずかに残された仕事を獲得しようと群がっている。結果としてどこも、『 http://www.emoonlighter.com/ イームーンライター・コム』のような状況に陥っている。イームーンライター・コムによれば、31万6000人もの外注契約者がたった3万件の仕事をめぐって競い合っているという。

  http://www.ework.com/ 米イーワーク・エクスチェンジ社のハンス・ブーコー最高経営責任者(CEO)は、IT業界のスタッフ募集機会が99年の半分またはそれ以下に落ち込んだと見ている。また、プロジェクト件数が激減したせいで、同社が提供する人材市場はもはや機能していないとあっさり認めている。

 「現時点では、『エクスチェンジ』サービスが提供している仕事は、全くない。もちろんまだ、このサービスを使って契約にこぎつけられることもあるだろうが、継続性はない」

 変化する市場に対処するため、ブーコーCEOは業務の中心を、フリーランサー支援から、企業向けの人材登用自動化ソフトウェアの提供へと切り替えようとしている。

 現行の買い手市場ではすでに企業側が有利だとフリーランサーたちは思っているが、同社の方針変更は、そんなフリーランサーたちをさらに追い込むことになるしれない。しかしブーコーCEOは、これが業界にとって必要な進化過程だと考えている。

 各種サービス調達会社の http://www.elance.com/ 米イーランス社(カリフォルニア州サニーベール)の幹部たちも同意見だ。同社は社名を、マローン氏とローバッカー氏の「イーランス経済」論文にちなんで命名した。

 「企業は雇用に際して、数多くの制約に従う必要があるということを、フリーランサーの多くは理解していない」とイーランス社のティム・リード副社長は述べている。同社のソフトウェアを使えば、このような制約を効率よく管理できるため、企業はより多くの業務をアウトソーシングできるようになる。

 「イーランス経済の時代は到来するだろう。単に、企業がどれだけ速く、この変化の過程を乗り切れるかという問題だ」とリード氏は説明している。

 あいにくフリーランサーにとって、この変化は目に見えるほど速くは進行していない。

 コネル氏は、「仕事の数よりも、この種の仕事を探している人数のほうが多いことは確かだ」と述べ、企業はこの現状を自分たちが有利になるように利用して、高スキルの人材に対して低賃金で仕事をこなすよう交渉してくると指摘した。「食うか食われるかの競争がますます激しくなっている」

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