悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録

2003年06月02日(月) 00時00分

ヤミ金融業者が急増 今年3年で1360件朝日新聞・

 対策弁護団、217社を告発

 法外な利息・借り換えさせ・保証人から取り立て


 今年に入り、法定外の高金利で金を貸し付ける「ヤミ金融」について、県警への相談が激増している。実態は不明な部分が多いが、ほとんどが東京など首都圏の暴力団の資金源となっており、「脅されると素直に金利を払う東北が狙いやすい」と明かす業者もいる。弁護士会有志による「ヤミ金融被害対策秋田弁護団」は30日、東京のヤミ金融217業者を県警に告発した。安易な消費者金融からの借金が膨らみ、困って手を出してしまうという被害者側の油断も背景にあるようだ。

 県警へ相談

 県警では、消費者金融に関する相談とヤミ金融に関する相談とを一括して統計をとっているが、03年1月から3月末日までの相談件数は1360件。02年が2630件、01年が1230件、00年が827件で、3カ月だけですでに一昨年の年間相談件数を大幅に上回った。窓口の県警広報広聴課では「相談の大部分がヤミ金と、ヤミ金に関するもの。毎日、電話がかかってくる」と話す。

 高金利と厳しい取り立てに困り果てた人、「指をつめるぞ」などと脅しめいた文面で身に覚えのない督促を弔電の形で送りつけられた人などからの相談が増えているという。

 県警生活保安課では「ヤミ金業者のほとんどが都内やその近郊で営業しているとみられるが、背後関係を割り出すのは難しい。最近では携帯電話だけで金を貸しつける090金融などもあり、実態をつかむことすら大変になっている」と話す。

 同弁護団は昨年10月にもヤミ金業者230社を集団告発しているが、うち検挙されたのは数社にとどまっているという。

 弁護団は被害者に「存在自体が違法であるヤミ金へは返済義務はない」と指導しており、江野栄弁護士は「業者には一切連絡をとらないこと。1回、連絡をとれば次々と別の業者から連絡が来たり、覚えのない請求を受けることになる」と警告している。

 業者が語る「手口」

 狙いは消費者金融の返済不能者、払えなければまたヤミ金に借りさせる、取り立ては保証人から−−。ヤミ金業者の一人が、実態と取り立ての手口を語った。

 男性は、東京都内でヤミ金十数社を実質的に経営する「影のオーナー」だという。都には現在、多数のヤミ金とみられる業者が貸金業者の登録をしているが、実際は一つの経営母体が名前を変えて社長を置いているに過ぎず、大半は10〜20社を「グループ」経営しているという。

 「暴力団にとっては、ヤミ金が実質上の資金源。ヤミ金情報が首都圏より遅い東北は、素直に払う人間がまだ多く、狙いやすい」と明かす。

 業者の元には、全国の消費者金融で返済不能に陥った人のリストが1枚5〜10円で回ってくる。リストを元に、日に20〜30件と電話をかけたりダイレクトメール(DM)を送りつけたりする。「一人ひっかかれば十分に商売になる」と言う。

 20万円を貸したとする。だが、「手数料」などの名目でそこから金を引くため、借りた本人には6万円程度しか渡らない。しかも法定金利をはるかに上回る高金利だ。

 返済が不能になった場合は「グループ内の別のヤミ金でまた借金させる。みんな1週間でパンク(返済不能)するが、こちらは金利だけで貸付金を超える利益が出る」と言い切る。

 また保証人も狙う。男性のヤミ金では、申込時に親族や友人など5人分の保証人を書かせる。身分証明などはいらないという。「保証人の住所さえ分かれば十分。取り立てに行けるから。保証人に電話をかけ続けると、困った末に『数十万円程度なら……』と返してくれる人がほとんどだ」という。

 暴力団ばかりでなく、「最近では『素人』の参入組もある」という。ある日、男性の元に20代の若者が「ヤミ金を開業したい」と相談に来た。知人、友人をかき集め、消費者金融から数百万円を借りて「開業資金」にしたというのだ。

 その資金をヤミ金として別の人間に貸し、利ざやをもうける。資金が不足したら、また消費者金融から借りる仕組みだという。ただ、「素人とは言っても、トラブルに備えて暴力団に金を渡している」とも言う。

 不法なヤミ金の手口を語りつつ、男性は「我々のところへ来るのは、返済に困り、追い込まれた人たち。そもそも消費者金融が安易に金を貸す風潮が問題ではないのか」と平然と言い切った。


 

(6/2)

http://mytown.asahi.com/akita/news02.asp?kiji=4396

この記事に対するコメント/追加情報を見る

ニュース記事一覧に戻る

トップページ