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2003年06月02日(月) 00時00分

豆乳ブーム再び 『美容と健康』 女性の心とらえ 東京新聞

 豆乳人気が再ブレーク中だ。スーパーやコンビニの食品売り場には豆乳製品がずらり。都内には行列のできる豆乳カフェや料理店も登場。若い女性の人気を当て込んで、化粧品への応用も研究されるほどだ。一九八三年に一一・七万トンとピークに達してから、九二年に二・五万トンにまで落ち込んだ生産量は、昨年七・九万トンまで急回復している(農水省統計)。復活した豆乳人気の背景を探った。

 千客万来の六本木ヒルズ(東京都港区)。ここに入居する「トウフカフェ・フジノ」=電03(5771)0102=をのぞいてみた。

 人気の豆乳ドーナツを食べていた西東京市の女子大生(22)は「美容やダイエットにいいと聞いて食べてます」。

 四月の開店以来、女性を中心に一日千五百から二千人が来店。「行列ができ二、三十分待ちになることも」と油谷聖一郎店長は言う。

 中央区銀座の創作料理「櫂(かい)」=電03(5537)3900=では、京都の老舗から毎日新鮮な豆乳を取り寄せる。「豆腐と豆乳のグラタン」などが好評。

 スターバックス各店は昨年夏ごろから、豆乳ラテを登場させ、今や人気メニューの一つだ。

 スーパーなどの店頭にも、豆乳ケーキ、豆乳鍋、豆乳クッキー、豆乳ラテ、豆乳プリン…と盛りだくさんだ。

 豆乳は、大豆をすりつぶした乳状の液のこと。国内の豆乳生産量は第一次ブームのあと、九七年ごろまで低迷した(グラフ参照)。

 食品化学メーカー「紀文フードケミファ」(東京)の中山義浩管理部長は、低迷の理由を(1)当時は独特の臭みや味があり、なじめない人が多かった(2)ブームに乗り多数の業者が参入し、粗悪品が出回った−とする。

 それがなぜ今、再ブレーク中なのだろう。

 まずは、豆乳の病気予防効果が明らかになってきたこと。健康科学研究所などによると、豆乳はコレステロールを下げる良質の植物性タンパク質やサポニン、レシチンをはじめマグネシウム、カルシウムを多く含む。最近、乳がんや子宮がん、前立腺がんなどの予防に効果のある成分イソフラボンが含まれていることも判明した。

 同研究所の久郷晴彦所長は「牛乳に比べバランスよく栄養が取れ吸収率もいい。心臓病や高血圧などの成人病予防に効果的」と語る。国も豆類を取ることを食生活指針で推奨。米国では、予防効果に注目し、日本の三倍近く豆乳を取っている。

 日本では、九七年、今年と二度、健康保険料が引き上げられ、本人負担は三割にアップ。病気予防への関心は高くなっている。豆乳生産量が増加に転じたのは、最初の保険料引き上げ直後の九八年から。紀文フードケミファは、「これが豆乳復活の一つの転機になった」と分析する。

 また、今年五月から健康増進法が施行されるなど、国を挙げて健康志向の時代に入った。こんな社会状況が、豆乳に“追い風”になったようだ。

 女性に人気が高いのは、やはり美容効果への期待。根強いようだ。

 「豆乳は低カロリーでダイエットにも効果的」(久郷所長)なのが若い女性には魅力。ビタミンEとB群も含まれており、しみやしわを防ぐ効果も期待されている。

 今後美容効果が科学的に証明されることを見越し、業界は女性狙いで化粧品への応用も研究しているという。

 もう一つの要因は、味が、劇的に改善したことが大きいようだ。

 紀文フードケミファは、材料の大豆を米国産から有機栽培の良質な中国産にかえた。抽出技術も向上し、青臭さや渋みなどは消え、こくと素材の甘みが味わえるようになったという。

 また、同じ大豆製品でも納豆やみそに比べて豆乳が注目されるのは、多くの料理に応用できるから。中山さんは「牛乳を使うすべての食品に代用できる」と話す。豆乳食品・料理のレパートリーは、さらに広がる可能性を残している。

 今回の豆乳再ブレークは、第一次を上回るほど拡大するのか、それともまたしりすぼみに終わるのか−。中山さんは「今回は、はっきりした伸びる理由がある。一過性で終わるとは思えない」と確かな手応えを口にするのだが…。

文・沢田一朗

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http://www.tokyo-np.co.jp/00/thatu/20030602/mng_____thatu___000.shtml

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