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2003年06月01日(日) 00時00分

増資と偽り自社株乱売 宮越商事の実質子会社 東京新聞

 東証一部上場の電気機器販売会社「宮越商事」(宮越邦正社長)傘下とみられる有機食品販売会社「ジェーシープランニング」(JCP、東京都大田区)が、二〇〇〇年夏から翌春にかけて、第三者割当増資と偽るなどして自社株を乱売していたことが三十一日、東京新聞の調べで分かった。販売総額は十億円以上にのぼった可能性がある。JCPは「近く上場する」とも説明していたが、現在まったく上場のめどは立っておらず、購入した株主から「だまされた」との声が上がっている。

 関係者の話や同社の内部資料を総合すると、JCPは二〇〇〇年六月ごろから、第三者割当増資と称して、引受先の募集を始めた。予定された新株は二千株(一株額面五万円)。同社や、宮越商事と関係が深いとされるベンチャーキャピタルの「ネットキャピタル」(同区)を通じて一株五十万円で販売し、同七月までに総額十億円を調達する計画だった。

 JCPなどは、新株発行についての資料を買い主らに示し、大手生保や総合商社、大手プロバイダーの関連会社なども引き受けると説明。こうした有力企業が並んだリストも見せていた。ところが「割当増資」の一部は単なる「譲渡(転売)」で、譲渡人の名義は、社員や元社員になっていた。達成が不可能な事業計画を示して勧誘していたケースもあった。

 実際に株を購入したのは、中小企業や個人株主がほとんどだった。JCPでは締め切り延長を繰り返し、〇一年三月末に増資を完了した。

 東京新聞は、JCPの下條闊(ひろし)、ネットキャピタルの山崎芳崇(よしたか)、宮越商事の宮越邦正の各社長に取材を申し入れたが、いずれも断られた。

 JCPは一九九六年十月に創業。翌年から有機栽培の農産物を使ったオーガニック食品の輸入・販売を始めた。株を乱売した当時、カリブ海北部のケイマン諸島に本社のある企業が筆頭株主だったが、当初は、宮越グループの宮越興産が筆頭株主で、実質的には現在も宮越商事の支配下にあるとみられる。営業報告書では二〇〇一年三月期の売上高は約七億五千万円だったが、翌年同期は約一億六千万円に落ち込んでいる。

 (メモ)第三者割当増資

 業務提携している相手先や取引先など、特定の関係先に限って引受権を与えた上で、新株を発行して資金を調達すること。提携先との関係の強化や、経営状態に問題があって公募増資が難しい場合などに行われることが多い。JCPの場合は、こうした関係先以外に、一般の顧客にも第三者割当増資と称して株が販売されたが、実態は、もともとある株の転売だった。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20030601/mng_____sya_____004.shtml

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