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2003年05月30日(金) 08時11分

<サリドマイド薬>輸入代行HP閉鎖 都が行政指導毎日新聞

 世界的な薬害を起こしたサリドマイド薬が骨髄腫治療薬などとして大量に個人輸入されている問題で、同薬の輸入代行を請け負うホームページ(HP)を厚生労働省が薬事法違反と判断、東京都が都内の業者を行政指導し、業者は29日までにHPを閉鎖した。同省の要請による行政指導でサリドマイド薬輸入のHPが閉鎖されたのは初めて。

 行政指導を受けた業者は今年2月にHPを開設し、「THALIDOMIDE(サリドマイド)」の表記と米国の製薬会社名、値段などを掲載。購入者に、契約した米、独の専門医2人が薬を直送していた。

 未承認薬でも、輸入代行業者が注文を仲介して直輸入直送される場合は、薬事法違反には当たらない。しかし、中国製ダイエット食品が国内で死者4人を含む約880人もの健康被害を出したことから、同省は昨年8月、都道府県に対し(1)購入意欲をかき立てる意図が明確(2)特定医薬品の商品名が明らか(3)一般人が認知できうる——という条件を満たす場合は、薬事法が禁じた「未承認薬品の広告」にあたると通知。今回、問題のHPが、この3条件を満たしていると初めて判断した。

 サリドマイドは鎮静・催眠剤で、妊婦が服用して障害児を出産する薬害を起こし、1962年に販売停止になった。未承認薬だが、最近、骨髄のがんである多発性骨髄腫に対する有効性が報告され、個人輸入が増加。米国の管理プログラムでは、登録した医師や薬剤師のみが処方、投薬でき、患者も服用に際してはプログラムに沿った教育を義務付けられている。

 業者は「薬事法違反の認識はなかった。東京都に違法性を指摘され、削除した。どんな人が購入しているかは確認していない」と話している。

 サリドマイド問題に詳しい薬剤師の寺岡章雄さんは「厚労省は薬害被害が起きないよう、使用上のガイドラインを早急に整備する必要がある」と指摘している。

 「日本骨髄腫患者の会」によると、国内の多発性骨髄腫の患者は1万〜1万5000人。そのうちサリドマイドを使って効果が認められる患者は約3分の1という。厚労省によると、01年度に15万6600錠(多くは100ミリグラム錠)が個人輸入され、大半は医師とみられる。一般的な同薬の値段は30錠で2万〜3万円だが、行政指導を受けた業者の販売価格は、約10倍だった。【奥山智己】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030530-00000137-mai-soci

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