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2003年05月30日(金) 01時16分

IP電話が京都で急速普及 低コスト、技術的な課題も京都新聞

 インターネットを利用して会話ができるIP電話が急速に普及している。同じサービス業者同士なら通話料が無料という低コストが魅力で、京都でも導入する家庭や企業も増えてきた。広がるIP電話の将来性と課題を京都を中心に探った。(社会報道部・経済仲屋聡)

 ▽ヤフー、利用者拡大に躍起

 IP電話の大きな利点は同サービスの業者間での通話が無料になるという点だ。そこに目を付けたソフトバンクグループは、ヤフーの「BBフォン」の利用者拡大に躍起になっている。4月から全国の街頭でモデムを配布するお試しキャンペーンを展開中。効果は絶大で3月末でプロバイダー契約者236万人のうち、197万人がBBフォン利用者となった。

 従来回線と併用することで固定電話からの着信も可能で「会員同士の通話料は無料のため契約者が増えれば増えるほどお得になる。今後も会員増加のキャンペーンを強化する」(広報担当)という。

 ▽みやびじょんも参入

 ケーブルを使ったネット接続サービスも展開するCATVの京都ケーブルコミュニケーションズ(みやびじょん、右京区)は7月から、近畿のCATV17社と協力してIP電話事業を開始する。関西圏169万世帯のCATV利用者を擁する広いIP網を強調し、「ネット接続の囲い込みサービスとして本年度末までに700−800件の利用者を見込む」(技術担当)。

 IP電話社会を見据えて、NPO法人(特定非営利活動法人)の日本サスティナブルコミュニティセンター(SCCJ、中京区)が京都市内で展開する無線LAN「みあこネット」では、携帯型のIP電話端末を市内で実験中だ。PDA(情報携帯端末)にアドレスを付与し、イヤホンを接続することで無線LANを通じた会話が可能になった。

 通話料はもちろん無料で、今後は「無線の利点を活用して高齢者介護や視覚障害者などのサービスにも応用していく」(SCCJ事務局)としている。一般固定電話からの着信も実験中で、無線LANを活用した携帯IP電話も近く実現しそうだ。

 ますます利用が伸びるIP電話だが、まだ課題も多い。業者による「050」の番号付与は今夏以降に本格的に始まるとされているが、現段階では交換機を使って従来回線と併用しないと、IP電話網だけでは119番や110番や0120番などの通話ができない。また、違う事業者同士のIP電話では無料通話にならない点や転送などのビジネスフォンとしての利用ができない点など技術的にまだ発展途上だ。

 これらの課題に対して事業者間の共同接続などサービスの合従連衡や基盤技術の革新などが急速に進んでおり、徐々にクリアできる体制に近づいている。NTT西日本京都支店(中京区)では「普通に仕事で使える従来のビジネスフォン的機能がつけば、企業側から導入が進む」と見ている。これらの課題がクリアできればコストの安さが際だつIP電話の世界はますます広がりそうだ。

 ▽IP電話

 IP電話インターネット技術を使い、デジタル化された音声を小分けにして伝送する通話方式。通信網を効率的に利用できるため低コストで通話できる。同業者のサービスなら無料通話になり、固定電話への市外通話も安くなる例が多い。業者に総務省の認可がおりると「050」が頭につく電話番号が付与され、IP網で固定電話からの着信も可能になる。各プロバイダーはネット接続事業の付加サービスとして着目し、参入が相次いでいる。

(京都新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030530-00000002-kyt-kin

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