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2003年05月29日(木) 00時00分

国分寺市の住基ネット参加方針で高まる論議朝日新聞・

 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)仮運用への参加を見合わせていた国分寺市が28日、一転して参加の意向を表明したが、議会などには反対意見もある。この日、長野県の審議会が県側にネットからの離脱を促す中間報告をまとめたこともあり、論議は続く。

 国分寺市議会の全員協議会で、星野信夫市長は昨年8月に住基ネットが仮運用された際に不参加を表明した経緯を改めて説明。そのうえで、「個人情報保護法が成立、政府による所要の措置が講じられたと判断できる」「総務大臣に市が送った質問や要望にほぼ満足できる回答をもらった」などと理由を述べ、参加へ理解を求めた。また、接続後に情報漏洩(ろうえい)などがあった場合は、回線の遮断などの対応をとることも強調した。

 この日の全協には26人の全市議が出席。事前の根回しや議会事務局からの説明などで知っていたこともあり、市長の説明が終わっても特に反応もなかった。議長が意見を促すと出席議員から「全協は議論の場ではない」「ネット関連予算案が出てきてから意見を述べたい」などという声が出るにとどまり、10分ほどで閉会した。市は6月市議会に関連の補正予算案を提案し、早ければ7月末にもネットに参加する意向。論議はその議会に持ち越された。

 全協の後、星野市長は住基ネットをめぐる問題について、「市民に(個人情報の)問題を考えてもらういい機会になったと思う。今後とも個人情報保護には万全の措置をとりたい」と話した。

 参加の表明に、自民党の横田美郎・同市議団代表は「市長は法を守る立場にあり、法律違反はできないと思う」と理解を示した。一方、共産党の川合洋行市議は「保護法が成立したといって不安は消えない。基本的に中止を求める」と、議会で反対する考えだ。


 ■国立市長「判断は独自に」

 ネット不参加を表明しているのは全国で杉並、中野両区、国立市、福島県矢祭町の4自治体となった。国立市の上原公子市長は「他市のことにコメントする立場にないが、不参加が一つなくなるのは残念。個人情報保護法は接続への条件の一つに過ぎず、参加・不参加は国立市が判断すること。現時点で考えは変わっていない」と、不参加を継続する考えを示した。


 ■国諮問機関委員 立川市長歓迎「判断望ましい」

 全国市長会長で、片山虎之助総務相の諮問機関「住民基本台帳ネットワークシステム調査委員会」の委員を務める青木久・立川市長は「行政の効率化の観点から、国分寺市長の判断は望ましい。個人情報保護法は、プライバシーの保護に十分配慮されていると思う」と話した。


 ■保護法成立も危険性は残る

 園田寿・甲南大学教授(刑法・情報法)の話 国分寺市長は自治体の長の立場として、「国に従わざるを得ない」という苦渋の決断をしたと思う。個人情報保護法の成立で、自治体が形式的には反対する唯一の根拠を失ったと言える。しかし保護法の成立で危険性が取り除かれるとは考えられず、長野県の審議会が県に離脱を迫るのは当然の判断と考える。


 ■ネット接続妥当な決断

 安田浩・東京大学教授(応用情報工学)の話 国分寺市長が住基ネットへの接続を決断したことは妥当。接続によって情報の漏洩(ろうえい)が発生する可能性は、システムの技術的な観点から「ない」と言い切れる。住基ネットの有用性と運用の問題は別個に論じられるべきで、「誤った運用のおそれ」を、住基ネット自体の否定につなげるのはおかしい。
(5/29)

http://mytown.asahi.com/tama/news02.asp?kiji=2497

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