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2003年05月28日(水) 16時10分

<住基ネット>長野県に離脱求める 審議会報告案毎日新聞

 住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の稼働に伴って設置された長野県本人確認情報保護審議会(会長、不破泰・信州大助教授)は28日、県内の市町村と国側との中継を県が当面、取りやめるよう求める報告をまとめ、田中康夫知事に提出した。「個人情報保護の体制が不十分」というのが理由で、これを受けて県が中継を取りやめれば、県内の全自治体が住基ネットから一斉に離脱する極めて異例の事態となる。

 審議会は住民基本台帳法に基づき、住基ネットの個人情報保護のあり方を検討するため、各都道府県に設置が義務付けられた。住基ネットからの離脱を求める報告内容は初めて。

 長野県の審議会は県内全120市町村にアンケートを実施し、さらに任意に抽出した11市町村には聞き取り調査も行った。そのうえで、市町村のセキュリティー(安全)対策などについて各委員が分析した。

 報告は▽各自治体のLAN(構内情報通信網)に接続してあるパソコンであれば、住基ネットのサーバーにアクセスできる構造になっている事例が多い▽個人情報が漏えいした場合の本人への損害賠償がほとんど検討されていない——などと指摘した。そのうえで「市町村の住基ネット管理の実情は、個人情報保護が十分になされていない」と結論付けた。

 このため報告案は、県に対し(1)当面、住基ネットから離脱する(2)住基ネットから離脱しようとする市町村に協力する(3)国に対して住基ネットの運用について根本的な見直しを働きかける——ことなどを求めた。

 審議会メンバーは会長を含め委員計6人。住基ネットに反対の立場をとるジャーナリストの桜井よしこさんや清水勉弁護士も入っている。

 住基ネットで利用される個人情報は、市町村から、いったん都道府県のサーバーを中継し、総務省の外郭団体「地方自治情報センター」に送られる仕組み。

 審議会の運用はすべて都道府県に任され、報告書に従う法的義務はない。今回、田中知事が受け入れ、長野県が離脱すると、県民約220万人分が利用できなくなる。

  報告を受けた田中知事は「国と都道府県、市町村、さらに市民との関係がいかにあるべきなのか、いかに改革を行っていくべきか、という大変に大きな内容ではなかろうかと思う」と話した。【臺宏士】

 ■総務省市町村課は「住民基本台帳法で都道府県は、市町村が登録した4情報をサーバーに保存したり、照会に応じることなどが定められており、県が中継を止めることは違法になる」と述べた。

 ■コンピューター法に詳しい岡村久道・近畿大講師の話 住基ネットは自治事務であり、県が安全を期せないので接続を止めるべきというのは筋が通っている。住基ネットを導入する緊急の必要性がない、という判断も背景にあるのではないか。国はIT革命とか電子自治体とか耳ざわりのいいことを言って住基ネットを推進しようとしているが、住民だけではなく、自治体に対しても説得力がないことの表れだ。住基ネットについて「自治体がやること」と責任を押し付けたツケが回ってきたように見える。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030528-00001072-mai-soci

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