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2003年05月28日(水) 14時35分
戸籍偽造 阿部被告に懲役9年 仙台地裁判決(河北新報)仙台市などで起きた戸籍偽造事件で、公正証書原本不実記載、詐欺など計14の罪に問われた京都府生まれ、住所不定、無職阿部清隆被告(23)の判決公判が28日、仙台地裁であった。畑中英明裁判長は「戸籍制度の信頼を損なわせ、事件をきっかけに戸籍法が改正されるまでに至った。累犯事件を誘発させる模倣性もあり、社会に与えた影響は計り知れない」と厳しく指摘、懲役9年(求刑懲役12年)を言い渡した。阿部被告は控訴する方針。判決で、畑中裁判長は「雑誌の記事などを参考にしながら、次々と犯行計画を考え出し、犯行を重ねるたびにますます巧妙化した」と常習性を認定。行政窓口など対人接触が必要な場面には自分は関与せず、多数の年少者を言葉巧みに誘って犯罪行為に巻き込んだ点について「ひときわ悪質」と指摘した。 虚偽婚姻届などによって戸籍を書き換えられた被害者の心情にも触れ、「実際の不都合や困惑、不安などの精神的苦痛は甚大だ」と述べた。 判決によると、阿部被告は他人に成り済まして金融業者から借金をしたり、盗んだ車を売却したりすることを計画。引き入れた仲間とともに2000年10月から約1年間、仙台市などの17人の住民登録を無断で異動させたほか、計5組の婚姻、養子縁組を勝手に届け出て、住民票や健康保険証などを不正に取得した。 阿部被告は不正取得した公的文書を身分証明証として使い、金融業者から100万円を借り、盗難車10台(計約1400万円相当)の一部を転売するなどした。 一連の戸籍偽造事件は大きな社会問題となり、虚偽記載の痕跡を残さないよう戸籍を再製できる改正戸籍法が昨年12月に成立した。また、届け出の際、本人確認を厳密にする自治体も増えている。 [河北新報 2003年05月28日](河北新報) |