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2003年05月27日(火) 11時56分

元工場長ら2人に有罪判決 雪印・集団食中毒事件産経新聞

 雪印乳業の集団食中毒事件で、死者一人、重軽症者199人の業務上過失致死傷罪などに問われた同社大樹工場(北海道大樹町)の元工場長、久保田修被告(53)と元製造課粉乳係主任、泉幸一被告(51)の判決公判が27日、大阪地裁で開かれた。

 氷室真裁判長は久保田被告に禁固2年、執行猶予3年、罰金12万円(求刑禁固2年、罰金12万円)、泉被告に禁固1年6月、執行猶予2年(求刑禁固1年6月)を言い渡した。

 争点となっていた奈良県内の無職女性=当時(84)=について、氷室裁判長は過失との因果関係を認めず、業務上過失致死罪ではなく、業務上過失傷害罪を適用した。

 約1万3000人が下痢などの症状を訴えた戦後最大規模の食中毒事件の公判は、発生から約3年で判決を迎えた。

 大阪府警は公表が遅れ被害を拡大させたとして、当時の石川哲郎社長ら元幹部2人も書類送検したが、嫌疑不十分で不起訴になった。

 判決によると、久保田被告らは大樹工場で12年3月末、停電事故が起きた際、脱脂粉乳の原料が入ったタンクを高温のまま放置。黄色ブドウ球菌が増殖したにもかかわらず大阪工場に出荷し、それを原料にした低脂肪乳を飲んだ200人に食中毒を発症させた。

 また久保田被告は(食中毒発生後の)同年8月、営業停止などになるのを避けるため、保健所に虚偽の報告をした。

 起訴された3被告のうち、元大樹工場製造課長は交通事故で死亡した。

 雪印乳業の集団食中毒事件 雪印乳業大阪工場で製造された低脂肪乳などを飲んだ約1万3000人が12年6月以降、下痢などの症状を訴え、飲み残し製品から黄色ブドウ球菌の毒素エンテロトキシンが検出された。その後、製品の原料となった大樹工場(北海道)製造の脱脂粉乳が停電事故の影響で汚染されていたことが判明。大阪地検は13年7月、被害者計200人について業務上過失致死傷罪で3人を起訴(うち1人は死亡)。当時の石川哲郎社長ら元幹部2人は嫌疑不十分で不起訴処分とした。

 雪印食中毒事件の経過

 2000年3月31日 雪印乳業大樹工場(北海道)で停電事故が発生

 4・14 毒素に汚染された脱脂粉乳を大樹工場から同社大阪工場へ出荷

 6・27 大阪工場製造の低脂肪乳で食中毒症状を起こしたとの届け出が大阪市などに入る

 29 雪印乳業が自主回収開始

 7・2 大阪府警が現場検証開始、府が低脂肪乳から黄色ブドウ球菌の毒素を検出し、大阪市は大阪工場を営業停止に

 28 石川哲郎社長が引責辞任

 8月 大樹工場の元工場長が4回にわたり保健所に虚偽報告

 8・18 大樹工場製造の脱脂粉乳から同菌の毒素検出と大阪市が発表

 01・3・16 大阪府警が石川元社長ら9人を書類送検

 7・26 大阪地検は元大樹工場長ら3人を起訴したが、石川元社長らは不起訴

 12・18 大阪地裁で元工場長ら3人の初公判

 02・1・9 被告のうち元大樹工場製造課長が交通事故死

 4・17 被害者から申し立てを受けた大阪第一検察審査会が石川元社長らの不起訴不当を議決

 03・2・25 検察側が元工場長ら2人に禁固2−1年6月などを求刑

 3・28 大阪地検が石川元社長らを再び不起訴

 5・27 元工場長ら2人に執行猶予つき有罪判決

 雪印乳業の集団食中毒事件の起訴事実要旨

 雪印乳業大樹工場(北海道大樹町)の工場長だった久保田修被告(53)と主任だった泉幸一被告(51)は12年3月末、同工場で停電事故が起きた際、脱脂粉乳の原料が入ったタンクを高温のまま放置。黄色ブドウ球菌を増殖させ、毒素のエンテロトキシンに汚染された脱脂粉乳を製造した。

 さらに廃棄するなどの適切な処置を怠った上、同年4月、出荷時の細菌数検査で異常に高い数値が示されたのに、そのまま大阪工場に出荷。それを原料にした低脂肪乳を飲んだ200人に食中毒を発症させ、うち1人を死亡させた(業務上過失致死傷罪)。

 また久保田被告は(食中毒発生後の)同年8月、営業停止などになるのを避けるため、保健所に器具を洗浄したと虚偽の報告をした(食品衛生法違反罪)。

http://www.sankei.co.jp/news/030527/0527sha068.htm

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