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2003年05月24日(土) 00時00分

「けんぽう」を考えて(上)/個人情報保護「自衛官2等陸・海・空士(男子)」の募集要項と案内。18歳以上27歳未満が応募資格朝日新聞・

☆官に甘く流出の恐れ☆

 個人情報保護関連5法案が23日、参院本会議で可決、成立した。このほかにも国民一人ひとりに大きくかかわる法案が次々と審議されている。「日本国憲法って……」。改めて考えてみた。

◇   ◇   ◇


 「事前に使用目的などを文書にして提出して下さい。数日内に判断します。1件200円。1回の申請で25人まで。それを超える場合は1年後になります」
 
 東出雲町の町民課窓口で、住民基本台帳法で認められている4情報(住所、氏名、年齢、性別)の閲覧方法を聞くと、こう返ってきた。1回につき25人までというのは「一度に大量の個人情報が流出するのを防ぐため」の同町の内規だという。
 
 でも、自衛隊がお願いすると事情は違う。自衛官募集のため、自衛隊島根地方連絡部から高校2年生程度の適齢者情報を依頼され、同町は00年から毎年約150人分をリストにして提供してきた。住基法では閲覧さえ認められていない「世帯主」という情報までつけていた。公用のため手数料は不要だった。

 防衛庁によると、4情報以外に世帯主や保護者などの情報をリストにして提供していた自治体は、県内に30町村あった。
 
■   ■   ■


 個人情報保護法は、民間に対しては「不正な手段により個人情報を手に入れてはならない」とする。その一方、「憲法と国家公務員法にその種の規定がある」という理由で行政機関には同様の文言を明記していない。

 島根大法文学部の松井幸夫教授(憲法)は「自衛官募集の問題で表れているように、行政の個人情報に対する意識は薄い。このような状況で官に甘い法律をつくっても仕方がない。強面(こわもて)じゃなくて、今回の法律のように『みんなの生活を守りますよ』と言って行政が介入してくるのが危険だ」と話す。

 また、行政が出すべき情報を出さない場合もある。県情報公開条例では、情報公開の結果に不服がある場合、県情報公開審査会に訴えることができる。94年の条例施行後、これまでに48件が審査会にかけられ、29件で更なる情報の公開を県に求める答申が出ている。

 防衛庁は今回の問題が発覚した当初、4情報以外の情報の提供を受けた自治体名を公表しなかった。「自治体との信頼関係があるから」というのがその理由だった。

 県市町村課は「住民基本台帳法では4情報しか出せないが、自衛隊法施行令では各市町村に情報提供を要求できる。県は指導する立場にない」としている。

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 個人情報保護法の目的は、憲法13条を根拠に保障されるプライバシーの保護だ。13条は次のようにうたっている。

 「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする

 一方で、同法に「行政が不正な手段で個人情報を入手してはならない」とする文言が盛り込まれないのも憲法が根拠だというのが政府の立場。総務省行政管理局の担当者は「憲法73条の1号ですでに規定しており、ダブルで規定することになる」と説明する。内閣の職務について定めた73条1号はこんな一文だ。

 「法律を誠実に執行し、国務を総理すること
(5/24)

http://mytown.asahi.com/shimane/news01.asp?kiji=2933

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