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2003年05月21日(水) 19時03分
福島・発砲事件 暴力団抗争、背景に−−相手方車に４人乗車 ／福島（毎日新聞）とうとう県内に飛び火か——。福島市御山で１９日夜、暴力団組員が２週間のけがを負った銃撃事件に、県警幹部は一様に顔を曇らせた。事件の背景には４月中旬に栃木県内で発生した暴力団山口組と住吉会の対立抗争があると見られる。県警は同日、銃撃された同市北沢又、山口組系組員、藍原亮容疑者（２８）を、以前から被害届が出されていた暴力行為法違反容疑で逮捕する一方、銃撃犯は県外の住吉会系組員の４人と見て行方を追っている。◆医師が通報 事件は１９日午後１０時半ごろ、同市御山のコンビニ「ミニストップ御山店」駐車場で発生した。買い物を終えて国道１３号に出ようとした外国製ワゴン車のフロントガラスに向け、国道１３号を南下してきた車から何者かが拳銃４、５発を発砲し、１発がワゴン車のフロントガラスを貫通して助手席に乗っていた藍原容疑者の額をかすめた。 ワゴン車には運転手が同乗しており、藍原容疑者を乗せたまま市内の病院に向かった。銃弾による傷と気付いた医師が福島署に通報して明らかになった。逃走した車は白の国産セダン車と見られる。 県警は２０日、退院した藍原容疑者を、４月中旬に同市内の飲食店主を暴力団の名刺を示しながら脅した暴力行為法違反容疑で逮捕し、同容疑者が所属する同市丸子の山口組系弘道会事務所を家宅捜索した。 ◆北関東から飛び火 事件の背景には北関東を中心に４月中旬から続いている山口組と住吉会の対立抗争があると見られる。４月１８日に宇都宮市など栃木県内６カ所で相互の組事務所にトラックが突っ込んだり銃弾が撃ち込まれる事件が発生した。以後栃木、群馬、愛知の３県で組員７人が死傷している。 内訳は住吉会系が５人死亡１人重傷に対して、山口組系は１人が３週間のけがを負っただけにとどまり、住吉会系が全国規模で山口組系組員を無差別に狙う報復活動に出ているとされる。さらに両組織が抗争を始めた背景には、１月に前橋市のスナックで元暴力団組長ら６人が襲われ市民３人を含む４人が殺された事件があると見られている。 ◇教諭付き添い、一部生徒が集団で下校−−付近の小学校 コンビニ近くの主婦（３６）は「爆竹のような音が４、５発聞こえたが、発砲事件だとは思わなかった。子どもが巻き込まれないか心配」と話した。 事件現場から約６００メートル西に離れた同市立御山小学校（菊田宏校長、生徒数５８４人）は、事故現場方面に下校する一部生徒に教諭が付き添い学年ごとに、集団下校した。菊田校長は「子どもの安全を第一に考えた」としている。（毎日新聞） |