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2003年05月21日(水) 15時02分

ヤミ金融違法広告はんらん 仙台河北新報

 法外な利息を取り、暴利をむさぼる「ヤミ金融」の広告がはんらんしている。宮城県貸金業協会は先日、仙台市中心部で違法な看板とチラシの一斉排除を行ったが、屋外広告のほか各戸に配られるチラシなども被害を助長している。ヤミ金融に足を踏み入れてしまうきっかけとなる違法広告。積極的な取り締まりが求められているが、後手に回っているのが実情だ。(報道部・木村正祥)

<利息は週1割>
 仙台市近郊に住む男性会社員が借金地獄に転落したのは、貸金業者の看板が誘い水になった。「低利、スピード融資」。うたい文句にくすぐられ、今年1月、5万円の借金を申し込んだ。

 実際の利息は「1週間で元金の1割」(年521%)。出資法の上限(年29.20%)の18倍に上り、利息を返すため借金を重ねるようになる。返済日が迫ると別の業者から勧誘電話などが舞い込み、1カ月半で借入先は60を超え、総額は300万円に達した。
 返済が遅れると、子どもの学校にまで督促の電話が入った。弁護士の仲介で取り立ては収まったが、男性は「ヤミ金融を1度利用すると抜けられなくなる」と自戒を込めて話す。

<住所など一致>
 落とし穴はほかにもある。仙台市内で4月に戸別配布されたチラシに、都内の18の貸金業者が広告を載せたが、2業者は貸金業の登録番号と住所が同じ。業者は「印刷の手違いだ」と言うが、意図的に使い回ししている節がある。
 東京都貸金業協会の調査では、1999年4月から2002年10月までに、貸金業の新規登録をした3259の個人業者のうち2154業者は他の業者と住所が一致。台東区上野のビルには55業者が集中していた。

 「同一業者が複数の社名を使い分けて広告を出し、利用者を獲得すれば、個人情報を共有して次々と追加融資の誘いを掛ける」と協会はカラクリを説明し、業者の動向に目を光らせる。
 雑誌広告にも不自然さが目立つ。協会がある雑誌を調べた結果、昨年11月までの2年半の間に67業者のうち11業者が社名を2回以上変え、20業者が1回変更していた。「(貸金業のように)不特定多数を対象にする業界ほど社名を大切にするはず。短期間に社名を変えて、摘発を逃れようとしているのではないか」と協会はみる。

<手口巧妙化も>
 貸金業規制法は広告に融資利率、登録番号、返済方法などの明記を義務付け、(1)他業者の利用者、返済能力がないと思われる者を対象にした勧誘文句(2)無条件、無審査で融資が可能と誤解させる表示(3)実際よりも負担が軽いと誤解させる表示—などを禁止している。

 だが、実際は誇大な表現が目に付く。2月に宮城県内で約25万部配布されたチラシには「年利1.2%」「新規会員1年間無利息」と刺激的な文句が並ぶ。チラシを作製した都内の広告会社は「内容は代理店が審査する。誇大広告かどうかは分からない」といい、責任の所在はあいまいだ。
 広告を使い、勧誘しただけでも摘発できる出資法などの改正案が近く国会に提出される見込みだが、業界からは「手口が一層巧妙になるだけ」と懸念する声も上がっている。
[河北新報 2003年05月21日](河北新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030521-00000011-khk-toh

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