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2003年05月21日(水) 11時48分

カイワレ“食中毒”訴訟、国が逆転敗訴…東京高裁読売新聞

 1996年夏に大阪府堺市で起きた病原性大腸菌O(オー)157による集団食中毒で、厚生省(現厚生労働省)から原因食材の可能性を指摘されたカイワレ大根の生産業者が「根拠のない発表で打撃を受けた」として、国に約1億1400万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が21日、東京高裁であった。

 江見弘武裁判長は「厚生大臣はあいまいな内容をそのまま公表し、カイワレの市場での評価を致命的に棄損した」と述べ、請求を棄却した1審・東京地裁判決を変更し、国に計1691万4000円円の支払いを命じる業者側の逆転勝訴判決を言い渡した。

 訴えていたのは、「日本かいわれ協会」と全国18業者で、厚生省の公表によって、売り上げが例年の3割まで落ち込んだと主張していた。

 裁判では、国の調査の正確性、発表方法、損害の有無などが争点となった。江見裁判長は、国が調査結果を公表したことについては「消費者の利益を重視して講じられた措置で、歴史的意義がある」と評価。しかし、中間報告の段階ではカイワレが原因食材と断定できていなかったことから、「カイワレ事業が困難に陥ることが予測できたにもかかわらず、あいまいな内容を記者会見で公表した行為は違法」と結論づけた。

 1審判決は「国の判断に不合理な点はない」として、業者側の請求を全面的に退けていた。

 集団食中毒は96年7月上旬、堺市の小学校を中心に発生し、最終的には小学生ら9000人以上が発症、児童3人が死亡した。

 原因調査に乗り出した厚生省は同年8月、給食に出されたカイワレによる感染の可能性を指摘する中間報告を公表。翌9月の最終報告でも「カイワレが原因食材の可能性が高い」と発表したため、カイワレ価格は急落した。

 一方、厚生省から“犯人扱い”された大阪府羽曳野市の生産業者が、国に5250万円の賠償を求めた訴訟では、大阪地裁が昨年3月、「国の公表で、原告は名誉や信用を害された」と認定、国に600万円の支払いを命じている(国側が控訴)。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030521-00000103-yom-soci

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