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2003年05月21日(水) 10時42分

カイワレ“食中毒”訴訟、国が逆転敗訴…東京高裁読売新聞

 1996年夏に大阪府堺市で起きた病原性大腸菌O(オー)157による集団食中毒で、厚生省(現厚生労働省)から原因食材の可能性を指摘されたカイワレ大根を生産する18業者と日本かいわれ協会が、「根拠のない発表で打撃を受けた」として、国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が21日、東京高裁であった。

 江見弘武裁判長は「厚労省の調査結果に不合理な点はないが、発表の方法に違法があった」と述べ、請求を棄却した1審・東京地裁判決を変更し、計約1700万円の支払いを命じる国側逆転敗訴の判決を言い渡した。

 集団食中毒は96年7月上旬に、堺市の小学校を中心に発生し、最終的には小学生ら9000人以上が発症、児童3人が死亡した。原因調査に乗り出した厚生省は同年8月、給食に出されたカイワレによる感染の可能性を指摘する中間報告を公表。9月の最終報告でも「カイワレが原因食材の可能性が高い」と発表したため、カイワレ価格は急落した。業者側は裁判で、厚生省の公表によって、売り上げが例年の3割まで落ち込んだと主張していた。

http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20030521it03.htm

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