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2003年05月20日(火) 18時30分

成長がひと段落? ブロードバンド接続の契約数WIRED

 米国ではブロードバンド接続に移行するユーザーの数が急速に増えていたが、最新の調査によると、この数に以前ほどの伸びがなくなっていることがわかった。

 古くからインターネットを利用しているユーザーの大半が、すでに家庭用ブロードバンドサービスに契約を済ませてしまったのが主な理由だ。ネットが生活の一部となっていながら契約をしていないユーザーについては、興味がないわけではなく、居住する地域でサービスが提供されていないという理由が多い。

 18日(米国時間)、『 http://www.pewinternet.org/ ピュー・インターネット・アンド・アメリカン・ライフ・プロジェクト』による家庭へのブロードバンド普及についての調査報告書が発表された。1年間にわたって実施され3月に終了した調査だ。これによると、高速インターネット接続の契約数は着実に増加しているが、以前ほどの劇的な伸びはないという。

 「この1年で、利用歴が長いダイヤルアップ接続者層に、ブロードバンドに移行したいと考えているユーザーが減少していること、これが最も意外な結果だった」と、調査報告の作成責任者であるジョン・ホリガン氏は述べている。

 ホリガン氏は、ダイヤルアップ接続を利用しているインターネット・ユーザーのうち、ブロードバンドサービスへ移行しようと考えているのは現状で13%程度にすぎないと見ている。移行を考えている層は、当然インターネット利用経験が長く(6年以上)、情報の収集に熱心で、自らネット上に情報を公開している場合が多い。

 調査では、ダイヤルアップ接続からブロードバンドへ移行するとインターネットの利用法が変わることもわかった。音楽のダウンロードなど、帯域幅が必要なサービスはむろんのこと、ニュースやストリーミング・コンテンツの利用契約も、ダイヤルアップ接続ユーザーより増える傾向にある。

 ピューの調査では、調査した1年間でブロードバンド契約数は大きく増加し、高速インターネット接続を導入する家庭は1.5倍に増えた。

 家庭でのインターネット接続のうち、高速インターネット接続の利用は31%だと言われている。つまり、およそ3000万人——米国民の16%——が家庭でブロードバンド接続を利用していることになる。

 ブロードバンドの普及が順調に進んでいるのはプロバイダーにとってはよいニュースだが、一方で、新規契約が急速に増えた過去2年間と比べると、成長率は下がっていると報告されている。

 インターネットの利用状況を調査する米ニールセン・ネットレイティングス社のアナリスト、リサ・ストランド氏によると、契約数が伸び悩んでいるのは、ネットユーザーの多くが、自分たちはダイヤルアップ接続で十分だと考えているからだという。

 「電子メールの利用や天気予報の確認など、いまだに単純な使い方しかしないユーザーは多い」。自宅にインターネット接続環境を持っている個人のうち20%ほどは、月に1度、利用するかしないかという程度だとストランド氏は見ている。

 契約数の増加を維持するには、ブロードバンド接続プロバイダーが、サービス提供地域の拡大と料金の値下げの両方に力を入れるべきだと、ホリガン氏は指摘する。

 ダイヤルアップユーザーの多くは、常時接続ブロードバンドの付加価値に見合う金額を余分に払うことには異存がないものの、現行の料金は高すぎると考えている。

 「1ヵ月につき10ドル安くなれば、こういうダイヤルアップユーザーも、移行を検討する気になるかもしれない」とホリガン氏は言う。

 ブロードバンド接続業者も同様の結論にたどりついたようだ。特にデジタル加入者線(DSL)技術で高速接続を提供している地域電話会社ははっきり認識してきている。

 ここ数週間の間に、2大地域電話会社の米ベライゾン・コミュニケーションズ社と米SBCコミュニケーションズ社は、新規契約者および長期契約を結んでいる既存ユーザーに対してかなり低率の料金で提供する新しいサービスプランを、大々的な広告を打つことなく開始した。

 価格引き下げはケーブルのブロードバンド接続プロバイダーに対抗する意味合いだけでなく、ダイヤルアップユーザーに高速接続環境への移行をうながすねらいもある。

 とはいえ、ピューの調査からもわかるように、ブロードバンドが整備されている地域にいながらダイヤルアップのままでいるユーザーの勧誘は難しいかもしれない。

 昨年3月に調査員がインターネット利用経験の長いダイヤルアップユーザーに対し、ブロードバンドに移行するつもりがあるかと尋ねたときは、53%がはいと答えていた。ところが、今年になって再度尋ねたところ、肯定の答を返したのは回答者の43%に過ぎなかった。数字の減少は、移行するつもりのある利用者はすでに移行してしまったことを示している。

 「ブロードバンドへの移行を考えるユーザーが減っていることを考えると、契約数の伸びはさらに緩やかになるだろう」とホリガン氏は述べた。

[日本語版:金谷博行/鎌田真由子]

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