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2003年05月15日(木) 03時08分

胆のう炎をがん診断、手術で死亡…遺族が病院を提訴読売新聞

 千葉県野田市の主婦古谷由子さん(当時69歳)が肝不全で死亡したのは、入院先の「小張総合病院」(野田市、山内俊忠院長)で胆のう炎を胆のうがんと診断され、胆のうと肝臓の大半を摘出されたのが原因だとして、遺族が14日、同病院を運営する医療法人社団圭春会(小張淑男理事長)と担当医(43)を相手取り、慰謝料など総額約2550万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。

 遺族によると、古谷さんは2000年12月、体調不良を訴えて入院、超音波検査などで胆のうがんの疑いがあると診断された。担当医から「摘出手術が唯一効果がある方法」と説明され、翌月、胆のうすべてと肝臓の7割を摘出する手術を受けたが、切り取った肝臓や胆のうの病理検査でがん細胞は発見されず、胆のう炎だったことが判明。古谷さんは手術から約2か月後に肝不全で死亡した。

 同病院には病理専門医がおらず、がん細胞を確認するために通常、摘出前に行われる病理検査を実施していなかった。古谷さんの二男弘之さん(38)は「無関係の肝臓の摘出が死につながったと思う。死亡との因果関係を訴訟で明らかにし病院側の責任を追及したい」と話している。

 一方、病院側は診断内容や病理検査を実施しなかったことを認めた上で、「見極めるのが難しい病状で、がんの進行を想定して肝臓の摘出に踏み切ったのはやむを得ない判断だった。肝臓摘出と死亡に因果関係はないと考えている」と主張している。

 医療ジャーナリストの松井寿一さんは「胆のう炎をがんと診断したこと自体は誤診とまでは言えないが、がんの可能性があれば、摘出前に病理検査を行うのは医師の常識。疑問が残る」と話している。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030515-00000201-yom-soci

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