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2003年05月15日(木) 07時05分

元会長きょうにも聴取 宮城・船形コロニー「育成会」使途不明金河北新報

 宮城県福祉事業団が運営する心身障害者総合援護施設「船形コロニー」(宮城県大和町)の入所者と家族らでつくる親ぼく団体「船形コロニー育成会」の使途不明金問題で、宮城県警捜査2課と大和署は、育成会の元会長(65)が着服していた疑いを強め、業務上横領容疑で15日にも事情聴取する。容疑が固まれば逮捕する方針。

 育成会の調査委員会によると、使途不明金は1998年4月から2001年12月にかけて、総額約2600万円に上っており、県警は全容解明を目指す。

 調べでは、元会長は在任当時の01年度、育成会の会計から三百数十万円を引き出し、自分名義の銀行口座に振り込んだり、事務員を通じて現金で受け取ったりするなどして着服した疑い。

 育成会は昨年9月、不正経理の疑いがあるとして内部調査を実施。元会長が横領した疑いが強いと判断し、県警に被害申告していた。元会長に返還も求めたが、「私的には使っていない」と不正を否定し、返還に応じていない。

 育成会の会計は「一般」「基金」「特別共済」に分かれ、コロニーの入所者と家族らが寄せた資金などが充てられる。いずれの会計でも、領収証がなかったり、物品購入の形跡がなかったりするなどの不適正支出が確認されているという。

 元会長は問題発覚後の昨年12月、会長の辞任届を出した。コロニーの会計管理は現在、第三者の特定非営利活動法人(NPO法人)に委ねられている。

 育成会は1974年、コロニー利用者の「親の会」として設立され、98年に名称変更した。


◎船形コロニー
 宮城県福祉事業団が運営する同県最大の心身障害者の総合援護施設。1973年8月に設立。現在、更生、授産施設を含め定員は500人。同事業団は昨年11月、2010年をめどにコロニーを解体し、地域分散化する将来構想を打ち出している。
[河北新報 2003年05月15日](河北新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030515-00000009-khk-toh

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