悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録

2003年05月13日(火) 00時00分

アルツハイマー「犯人」特定 日本人研究者 東京新聞

 三菱化学生命科学研究所の星美奈子主任研究員らのグループが、脳神経細胞に付着してアルツハイマー病を引き起こすとみられるたんぱく質の一種「ベータ・アミロイド(Aβ)」の中から、実際に神経毒として細胞を死滅させる真球状の原因物質「アミロスフェロイド」を発見し、分離に成功した。研究成果は十四日、米国科学アカデミー会報インターネット版で公表される。

 アルツハイマー病は、Aβが神経細胞上に線維状に蓄積することで発症すると考えられてきたが、大量に蓄積しても痴ほうが発生しない例が多数あり、線維状にならない「可溶性Aβ」が原因との説が近年有力となっている。しかし、実際にその中のどの物質が脳神経細胞に作用しているのかは特定されていなかった。

 グループが今回、化学的に合成した可溶性Aβのうち、四十のアミノ酸からなる「Aβ40」の水溶液を回転させたところ、四時間で真球状物質が出現した。さまざまなサイズの球の中で、直径十−十五ナノメートル(ナノは十億分の一)のものに特に強い毒性があり、神経細胞を死滅させる威力は線維状のAβの約四百倍だった。

 また、Aβ40よりも、四十二のアミノ酸でつくられるAβ42の方が、低濃度、短時間で球を形成することも分かった。この球が細胞の表面に付着し、細胞内に取り込まれるとみられる。

 現在、アルツハイマー病については、Aβを除去したり生成を抑える研究が世界各国で盛んに進められている。グループは「原因物質の有力候補を特定したことで、治療のための研究ターゲットが絞り込まれ、アルツハイマー病の解明が進むのでは」と話している。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20030513/eve_____sya_____000.shtml

この記事に対するコメント/追加情報を見る

ニュース記事一覧に戻る

トップページ