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2003年05月11日(日) 20時42分

「少林寺」が商標権防衛で闘争宣言読売新聞

 【香港=関泰晴】中国武術の「少林寺」の名前を勝手に使って公演したり、商標権を侵害したりする団体・企業が世界中に氾濫しているとして、本家本元の河南省嵩山(すうざん)の「少林寺」が、偽者の打倒に向けて闘争を繰り広げている。

 釈永信住職は、世界中の偽者に対し、「少林寺」の名前を守るための訴訟を起こすと表明。戦いの場を法廷に移して徹底抗戦する構えだ。

 「少林寺」は、香港のカンフー映画が人気を呼んで世界中に名前が知れ渡るようになった。しかし、有名になりすぎたことが災いし、「少林寺」を名乗って公演活動を行う団体がドイツ、フランス、イタリア、オーストラリアなどで毎年のように出現している。

 こうした団体は、河南省の別の武術学校の生徒を寄せ集めたらしく、岩石割りなど本来は行わない演武を披露する。また、公演先の国々で、メンバーが肉を食べたり、酒を飲んだりするため、「食素独身」(菜食で独身)を主義とする本物の「少林寺」のイメージを損なっているという。

 加えて、世界各地で偽者の「少林寺」の団体ができ、武術を教えていることも判明。米国だけでも3か所の偽者の「少林寺」があることが分かった。また、世界11か国・地域で調査したところ、「少林寺」や「少林」の名前を無断で商標登録している例が117件も見つかったという。

 「少林寺」は、商標権を管理する「少林寺事業発展有限公司」を設立。すでに世界68か国で「少林」の商標登録を申請中だ。ドイツで偽者の団体を呼んで公演を行っていた業者を「商標権侵害」で訴え、昨年2月に勝訴するなど、戦果も上がっている。

 こうした動きを受け、「少林寺」の映画製作を計画する台湾の映画会社は、今年3月に38万元(約570万円)の名前の使用量を支払った。

 一方、日本の「少林寺拳法」に関しては、長年の交流の歴史もあり、信頼関係を築いているとして、「少林寺」の商標権に関する対立はないという。

 釈住職は「偽者の氾濫は目に余る。1500年の歴史を誇る『少林寺』の伝統を守るため戦いを進めていくしかない」と話している。

 ◆少林寺=創建は496年。中国河南省の省都・鄭州の西70キロの登封市嵩山の西ろくに位置する。インドの僧・達磨大師が9年間も壁に向かって座禅を行い、禅宗を開いたことでも知られる。唐の時代に武術が盛んになり、長年の時間を費やして徐々に独特の系統を整えた。現在は観光地として大勢の人々が訪れている。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030511-00000013-yom-int

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