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2003年05月09日(金) 00時00分

「ヤミ金融」業者逮捕 被害者5500人か朝日新聞・

 出資法の上限金利をはるかに超える金利で利息を取ったなどとして、県警生活環境課と泉署は8日までに、東京都豊島区目白4丁目、貸金業「モナコ」経営、松井弘毅容疑者(21)を出資法違反と貸金業法違反の疑いで逮捕した。県警では、松井容疑者が違法に金を貸した人数は約5500人、自社の口座に振り込ませた金額は1億3千万円に上ると見て、融資元などの解明を目指している。

 調べによると、松井容疑者は02年7月下旬から11月中旬までの間に、仙台市泉区の運送業の男性ら3人に約6万円を貸し付け、法定上限利息が1100円のところを、約20万円上回る高額な利息を違法に受け取った疑い。松井容疑者は契約書も交わしていなかったという。

 県警によると、松井容疑者は融資の勧誘や取り立てをすべて電話で行っており、取り立ての電話は深夜でもかかってきたという。運送業の男性に対しては、1万1千円の貸し付けに対し、7万5千円を返済させており、金利は1日当たり約38%にも上ったという。

 ヤミ金融を巡っては、弁護士などが昨年9月と12月に県警に集団告発しており、今回の逮捕につながった。

 国会、対策の法改正へ
 「ヤミ金融」にまつわる犯罪が続いている。この問題に詳しい新里宏二弁護士によると、最近では、実際には金を貸していないのに返済を迫る「取り立て屋」による被害が目立っているという。

 東北地方に住むある男性は、実際は借金がないのに、「娘に180万円貸したが踏み倒された」などと脅しまがいの電話で返済を迫られた。怖くなって男性が支払うと、その後も手数料などの名目で計100万円を要求されたという。新里弁護士は「実際にはヤミ金とは関係ない者が、恐怖に乗じて詐欺行為をしている」と新手の手口に注意を促している。

 昨年、県警生活環境課に寄せられた相談件数は186件。だが、今年は4月までで既に144件に上っている。しかし、ヤミ金融業者は多くが東京にいるとされ、摘発は難しいのが現状だ。

 新里弁護士はこう指摘する。
 「ヤミ金融業者は怖い、というイメージが先行しているが、相手は逆にこれを利用して詐欺、恐喝行為をしてくる。ヤミ金の貸し付けは不法原因給付で無効。対抗できることをもっと知ってもらいたい」

 国会では自民や民主が、無登録業者の広告・勧誘行為の禁止や登録手数料の引き上げ、違法行為への罰則の強化などを盛り込んだヤミ金融対策の法改正案をまとめており、今国会で成立する見通しだ。また、弁護士らでつくる「全国ヤミ金融対策会議」では今月末に、ヤミ金融業者の一斉告発を各県警に行う予定で、ヤミ金融業者に対する包囲網は確実に狭まりつつある。(川見能人)



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http://mytown.asahi.com/miyagi/news02.asp?kiji=4153

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