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2003年05月07日(水) 19時56分

[追跡]静岡 闇金、悪質取り立て−−相談急増、県警の対応急務 /静岡毎日新聞

 ◇自殺男性の遺族に「香典で返せ」
 ◇幼稚園に「園児1人ずつ殺す」
 出資法の上限金利(年利29・2%以内)をはるかに超す高金利で貸し付け、悪質な取り立てを行う闇金融業者の暗躍が県内でも増えている。多くは東京の業者で、「10日で8割」、年利では3000%という高金利も珍しくなく、職場や子供が通う幼稚園にまで取り立て電話をかけるなど悪質化も目立つ。この問題に取り組む弁護士や司法書士たちの間では、こうした業者を締め出す対策法の制定と、警察の迅速な対応を求める声が強まっている。【大楽眞衣子】
 電話口から野太い男の声が響く。「金が返せないなら、今すぐ死ね」。県中部に住む無職男性(67)は、昨年末から今年3月まで、業者の執ような取り立て電話に悩まされた。きっかけは自宅に来たダイレクトメールを、消費者金融から来たと勘違いしたことだった。借金を借金で返済するうちに借りた業者は17社になり、電話の回数も増した。
 「店をつぶすぞ」。職場にも電話がかかるようになり、男性は勤め先を辞めさせられた。警察にも相談したが「実際に押しかけて来なければ、捜査できない」。現在は司法書士の勧めで不当利得の返還を求める訴訟を起こし悪質な取り立てはなくなった。
 男性は「いつ電話が鳴るのかと、妻と2人でびくびくしていた」と当時を振り返る。
 今年1月には、静岡市に住む40代の男性が執ような取り立てを苦に自殺した。景気低迷で収入が減り、生活費を得るためヤミ金融業者に借金を重ねた。返済を求める電話は職場や実家にまでかかり、男性が残したメモには「これ以上、妻や親類に迷惑をかけられない」とあった。自殺後、遺族は「香典で借金を返せ」と脅されたという。
 闇金融業者は契約時、家族や親類の住所、勤務先を記入させることが多い。このため取り立ては本人や保証人以外にも及び、電話以外に電報も使われる。
 福田町の幼稚園は3月末、突然脅迫電話を受けた。「園児を1人ずつ連れ出して殺してやる」。園児の父母に闇金融業者から借りた30代男性がいた。
 今年2月、21社から借りている県西部に住む男性(53)は「連絡なき場合、家族をめちゃめちゃにする」という電報を30通も受け取った。「お悔やみ」と題した菊柄の漆塗り電報を送りつけられた県中部の女性(72)は「お悔やみ電報は『返済を拒めば殺す』という意味かと思い、震え上がった」と話す。
 業者の暗躍を反映するように、県警への相談も急増している。昨年1年間に寄せられた相談は2685件で、前年より1000件以上増えた。しかし、闇金融業者の9割は都内にあるうえ、電話や電報では脅迫した人物が特定しにくいため、県外の業者を検挙したケースはまだない。県内の業者ですら、昨年以降立件したケースは5業者にとどまっている。
 この問題に取り組んできた県青年司法書士協議会などは、出資法に違反した契約を無効とし、厳罰化などを盛り込んだ「闇金融対策法」の制定を求めている。
 小沢吉徳司法書士は「対策法が作られ、悪質な取り立てに警察がもっと動いてくれれば、被害は減るはず」と話している。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030507-00000002-mai-l22

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