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2003年05月04日(日) 00時00分

デジタルテレビ 特需頼みの家電メーカー 地上波放送 12月に開始 東京新聞

 今年十二月、首都圏などで地上波デジタル放送が始まることをきっかけに、家電業界がデジタルテレビに沸いている。東芝は早くも同放送を受信できる国内初のデジタルテレビの六月発売を決めた。一方、初めは受信地域が限られて急成長が期待できないとして当面は静観するメーカーも。価格面や放送内容に課題を残しながら、各社とも目玉家電の乏しい台所事情から、デジタルテレビの普及に望みを託している。

 (経済部・金森篤史)

■先行馬

 「何だって−。本当に六月に発売するのか。早過ぎる。一体どうやったんだ」

 東芝が地上波デジタルテレビを発表した四月二十一日、競合他社のテレビ担当者の間では驚きが広がった。

 地上波デジタル放送の試験電波の発信は八月ごろの予定で、それまでは電波の仕様が分からず、受信ソフトが決められない。東芝はこの問題を、十月以降にテレビ購入者に受信ソフトを送ることで解決。二度手間をかけてでも、他社に先駆けて夏のボーナス商戦から販売することで、トップに立つ戦略に出たのだ。

 価格は36インチ型で実売約三十万円。同型のアナログワイドは二十万円弱、BSデジタルが二十七万円程度だから、かなり高い。

■温度差

 先行する東芝に対し、日立製作所は「十二月の放送開始までに発売する」と当面、静観の構え。三菱電機に至っては「うちは(発売は)遅い。来年の機種から対応させていく」と、先行組のお手並み拝見といった姿勢だ。

 BS・CSデジタル受信用のデジタルテレビは現在販売されているが、高価なわりに番組の魅力が乏しく、売れ行きは鈍い。地上波デジタル放送も、開始当初はアナログ放送と同じ番組になる見込みだから、あわててデジタルテレビを出しても空振りに終わるかもしれない、との見方が背景にある。

 しかし、どのメーカーともデジタルテレビへの大きな期待は変わらない。洗濯機などの白物家電は世界的にアジアメーカーに追い上げられ、AV(音響・映像)機器も、伸びが予測できるのはDVDレコーダーなどわずか。デジタルテレビは数少ない成長商品なのだ。

 地上波デジタル放送の受信地域は徐々に広がり、二〇一一年には、アナログ放送が打ち切られる予定。だから、業界は「現在の一億台のテレビが、それまでにデジタルテレビに替わるはず」(三菱電機リビング・デジタルメディア業務部の山木比呂志氏)とソロバンをはじく。

■ネット接続

 松下電器産業は、地上波デジタル放送は受信できないが、インターネットに接続できるデジタルテレビを今月十五日に発売する。

 ほとんどのホームページ(HP)はパソコン向けに作られており、テレビ画面では不完全にしか表示されない。松下はテレビ向けHPを作ってもらい、簡単なリモコン操作で楽しめるようにした。天気情報やネット書籍販売、出前、占いなどが利用できる。

 ネット接続には他社も興味を示しており、松下、日立、ソニーなどが四月に研究会を発足。十月までにテレビでHPを見る標準規格を策定し、普及を図る。

 徐々に動きだした家電各社。「〇六−〇八年に本格普及する」と言われるが、果たしてもくろみ通りとなるかどうか。放送内容の向上、低価格化などを実現しなければ、絵にかいた餅(もち)に終わるかもしれない。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20030504/mng_____kakushin000.shtml

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