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2003年05月03日(土) 07時08分

車上荒らし狙いは「個人情報」 宮城・福島で被害激増河北新報

 車の中の金目の物を盗んでいた「車上荒らし」が、最近はパソコンや携帯電話に保存されている個人情報などを狙い始めている。「パソコンに企業の顧客情報などがあれば高く売れる」(宮城県警)と踏んでいるためだ。情報技術(IT)化が進み個人情報の価値が一層高まったことが背景になっており、最初から車中のパソコンやフロッピーディスクを狙う“情報系車上荒らし”も出てきた。特に宮城、福島の両県では、ことしに入って車上荒らしの被害が続出し、両県で全国の増加分の6割を占めるほどで、両県警は「パソコンを安易に“車中泊”させることは危険極まりない」と指摘している。

 車上荒らしは2000年から全国で急増している。宮城県内の推移を見ると1999年までは3000件台だったが、2000年には6000件台へと倍増し、昨年は6800件を突破した。今年はさらに増えており、1—3月だけで2188件が発生、昨年同時期の1.6倍になった。福島県でも1—3月、417件増の1166件に上っている。

 宮城県警によると、複数の「車上荒らし専門グループ」が首都圏から北上、宮城と福島に入り込んだことが確認されている。各犯行グループが、数十件から100件以上の車上荒らしを重ねているとみられ、両県で被害が激増したという。

 最近の車上荒らしについて、宮城県警は「仕事用のパソコンや携帯電話が盗まれるケースが目立っている」と指摘する。取引先の顧客名簿などが保存されていれば、パソコンそのものよりデータの方が高値で売れる。「それが犯行グループの狙い目になっている」(刑事総務課)。

 車上荒らしは一般に、住宅に侵入する窃盗犯に比べて見つかる危険が少ない代わり、盗める額も少ない。窃盗犯にとっての“効率”は悪く、数年前までは車上荒らしを専門にした窃盗グループは全国でも少なかった。

 ところが、パソコンなどに入っている個人情報の価値が高まり、車中の機器を狙う専門の犯行グループが出現してきたとみられる。個人情報が盗まれた場合、名簿業者からヤミ金融や悪質商法の業者などに流れ、2次被害に見舞われる恐れも出てくる。

 狙われる個人情報はさまざま。福島県岩代町では昨年12月、住民基本台帳ネットワークに搭載する全町民約9600人分のバックアップ用データが、業務委託された会社の車から盗まれた。塩釜市でことし3月と4月、児童の通信簿と調査票が小学校教諭の車から盗まれている。

 この3件が車上荒らしグループの犯行かどうかは不明だが、ほかに盗まれた物がなく、初めから個人情報入手を目的にした可能性が高いという。
 車のドアをロックしても、窃盗犯にとっては開いているも同然。宮城県警は「車で持ち出す際も、個人情報は会社や役所内と同様に厳重管理すべきだ」と警戒を求めている。
[河北新報 2003年05月03日](河北新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030503-00000015-khk-toh

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