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2003年04月30日(水) 12時43分

駅の全面禁煙、JR及び腰読売新聞

 全面禁煙か分煙か——。たばこを吸わない人の受動喫煙を防ぐ措置を公共施設の管理者に義務づけた「健康増進法」が5月から施行されるのを受け、駅での喫煙について鉄道各社で対応が分かれている。

 オープンスペースでのたばこ対策に明確な基準がないため、駅から灰皿を一掃する首都圏の大手私鉄各社に対し、JR東、西日本、東海は、喫煙所ならホーム上の喫煙は従来通りOK。愛煙家の味方はJRだけだが、「今後の対応は利用客の反応次第」とどこか及び腰だ。

 在来線のたばこ対策はJR東日本の取り組みが早く、1989年からホーム上に喫煙コーナーを設けるなどで他社をリード。97年から全駅が分煙に。私鉄各社もこれに続き、90年代後半までには、ホーム上の分煙はすっかり定着した。

 しかし、公共施設での喫煙が問題視されるにつれて、たばこを吸わない人から「喫煙所の煙が気になる」「分煙の効果がない」など苦情が年々増加。朝夕ラッシュ時の禁煙タイムを守らない愛煙家も後を絶たず、各社は健康増進法の施行で新たな対応を迫られていた。

 あす1日から終日全面禁煙とする首都圏の私鉄大手8社に対し、JR東日本は、渋谷、池袋など山手線6駅で午前9時半までの2時間を「時間帯禁煙」とするだけ。JR東海、西日本も「新たな対策はない」という。

 JR各社の言い分は、一部車内で喫煙できる新幹線や急行などの長距離電車を抱えており、ホーム上だけ全面禁煙にするのは困難なため。JR東日本は、「移動時間が長い路線が多く、現段階では喫煙者の要望も無視できない」と説明している。

 一方、地下鉄は87年のロンドン地下鉄火災で100人以上が死傷したのを機に、営団と都営は翌年から全駅が終日全面禁煙となった。

 厚生労働省生活習慣病対策室によると、たばこ対策の「基準」では、「換気装置でたばこの煙を集め、一酸化炭素や浮遊粉じんを一定量以下に抑えなくてはならない」が、これはあくまでも屋内での話。ホーム上などの屋外には明確な基準がない。

 同室では、「法の趣旨からすれば『全面禁煙』が望ましいが、屋外でも、分煙の措置を取っているのであればとりあえず問題はない」としており、各社の判断に任せるとしている。

 ◆健康増進法=生活習慣病の予防、栄養調査の実施規定など、国民保健の向上が目的。たばこの受動喫煙は、「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他多数の者が利用する施設」の管理者に防止策を求めている。現段階では罰則がなく、「努力義務規定」にとどまっている。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030430-00000004-yom-soci

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