悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録

2003年04月30日(水) 02時08分

コメ偽装表示、DNA鑑定で暴く 半年で24社社名公表朝日新聞

 米の偽装表示の摘発が相次いでいる。決め手になっているのは、DNA鑑定だ。この半年あまりで、「新潟県産コシヒカリ」などと偽って販売をしたとして、24業者が社名を公表された。その余波で特定ブランド米が値上がりする事態も起きている。

 東京都江東区にある広さ80平方メートルほどの食糧庁品質管理室。ここに各地の米穀店で売られている米が、DNA鑑定のために集められる。年間約2千点。コシヒカリの偽装表示がないかを調べる。

 1点につき、25グラムを採って粉砕。試薬を加え、DNAを抽出、精製する。結果は3日ほどで出る。パソコン画面に現れるバーコード状の画像で、本物のコシヒカリか、それ以外の品種が混じっているかが判別できる。

 01年度から、この鑑定を始めた。表示と食い違う米は、01年度は調査対象中の39%、昨年度は同17%見つかっている。食糧庁は、この情報をもとに店に立ち入り検査をし、各都道府県にも通知している。東京都もDNA鑑定の民間委託を始めている。

 食糧庁消費改善課の涌野佐斗司課長は「消費者の目も厳しく、表示の改善は進むと期待している」と話す。

 東京の大手米穀卸業、木徳神糧。昨年12月、農水省(食糧庁)と滋賀県から子会社とともに、それぞれ改善の指示を受けた。安い未検査米317トンを混ぜて、「新潟県産コシヒカリ」と表示した。

 子会社の社長ら2人は懲戒解雇。滋賀県の工場は今も休止したままだ。幹部らは、取引を打ち切った量販店におわびに回っている。「品質表示管理委員会も設置した。二度と起こしてはならないことだ」と広報担当者。

 昨年7月のJAS(日本農林規格)法改正で、農水省や都道府県は、改善の指示を出した段階で違反業者の社名を公表するようになった。検査も強化し、これまでに14都県の計24業者の社名を公表した。

 今月、自主流通米の入札で新潟・魚沼産コシヒカリが60キロで3万960円の値をつけた。2月まで2万6千円台だったのが3月から、ほかの新潟産コシヒカリとともに高騰し続けている。東京の米穀卸商は「供給不安に加え、摘発が続き、人気の高い本物の米を一斉に確保しようとしたため」と説明する。大手スーパーは4月14日に店頭の魚沼産コシヒカリを400円上げて、5キロ、3980円にした。

 東京都目黒区の米専門店「スズノブ」の経営者西島豊造さん(40)は「これまで極端に値段が安い、怪しいブランド米が多すぎた。まじめな業者にとっても、お客さんにとってもいいことだと思う」と話している。

          ◇

 ◆主な違反の例(農水省と各県調べ)

●静岡県 同県経済連

 未検査米や茨城県産164トンを混ぜた米830トンを「静岡県産コシヒカリ100%」と表示。工場長は懲戒解雇。

●福島県 フクショク

 未検査米など1701トンを「新潟県産コシヒカリ100%」と表示。

●福島県 和光食糧

 米国産の米30トンを混ぜた米50トンを「会津産コシヒカリ」と表示。

●福岡県 内田米穀

 同県産のブランド米「夢つくし」に別品種を混ぜて、県庁食堂に納入。県警が不正競争防止法違反容疑(偽装表示)で同社を家宅捜索。

(04/30 01:46)

http://www.asahi.com/national/update/0430/003.html

この記事に対するコメント/追加情報を見る

ニュース記事一覧に戻る

トップページ