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2003年04月26日(土) 03時01分

ペースメーカー:摘出または機能停止の患者 90年代19人も毎日新聞


 心臓ペースメーカー(PM)の「植え込み過ぎ」が指摘されている問題で、90年代以降、国立循環器病センター(大阪府吹田市)などの医師に「不整脈はなく、心機能は正常」と診断され、PMを摘出または機能を止めたり、必要性を疑問視された患者が少なくとも19人に上ることが25日、毎日新聞の調べで分かった。うち摘出が3人、機能停止が5人で、この8人は80年代後半ごろ、不整脈の「洞機能不全症候群」と診断され、植え込み手術を受けたとみられる。摘出した医師は「初めから不整脈などなかったのではないか」と指摘している。

 摘出・機能停止の措置をとったのは大阪府内の5病院。国立循環器病センターの医師は94年ごろ、別の病院でPMを植え込まれた40歳代の男性3人を診察。「不整脈はなく症状もなかった。なぜPMを入れたのか」と不審に思った。患者が必要性に疑問を持っており、医師は3人のPMを止めて経過観察し、本人の希望で1人がPMを摘出した。

 大阪府内の医療法人理事長の医師も91年、アレルギーなどで起きる病気で来院した30歳代の男性からPMを摘出。男性の説明では、軽い失神で救急医療を受け、その日のうちにPMを植え込まれたという。大阪市内の総合病院では、電池切れで止まっていたPMを摘出。執刀医は「PMがなくても全く支障なかった」と話した。この他、同市内の別の総合病院で男性患者2人のPMを停止、近畿の大学病院でも女性患者のPMを事実上作動しないようにしたという。

 洞機能不全症候群は、心臓の中の発電所にあたる「洞結節」という組織が異常を起こし心拍が乱れたり、心臓が数秒間停止する病気。診察した専門医の一人は「洞結節が機能不全から回復することが絶対にないとは言い切れない。しかし、病気がなかったか、一過性の不整脈にとって不要なPMを入れたと考える方が自然だ」と話した。

 また、摘出や機能停止はしなかったが、「必要ない」と疑問視された患者が11〜14人いた。大阪市内の二つの病院では転院してきた5〜7人について疑問視。東京都内の循環器専門病院の医師も「私だったらPMを入れない患者が2人来院している」と話した。また、西日本の総合病院では「4、5人の患者の必要性を疑問視しているが、患者にはそのことは説明していない」という。患者は大阪や東京などの複数の病院で植え込み手術を受けたという。 【金塚祐司、粟飯原浩】

[毎日新聞4月26日] ( 2003-04-26-03:01 )


http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030426k0000m040188000c.html

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