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2003年04月24日(木) 22時19分

4月25日付・編集手帳読売新聞

 「師」と「士」は、どう違うか。数学者の森毅さんが珍妙な説を紹介している。「だまされたい人間をだますのが『師』で、だまされたくない人間までだますのが『士』だと…」(講談社学術文庫「魔術から数学へ」)◆世間には「師」や「士」のつく立派な職業がたくさんある。「だます、とは何だ」と、気分を害された方もおられよう。ごめんなさい…◆いまもひそかに、その人を「尊師」と仰ぎ、寝起きする拘置所を“聖地”と崇(あが)める信者がいるという。心に弱さを宿し、得体(えたい)の知れない権威に「だまされたい」人々を指図して、尊師は絵空事のような凶悪犯罪を重ねたのだろう◆殺人罪などに問われたオウム真理教の麻原彰晃こと松本智津夫被告(48)に検察側はきのう、死刑を求刑した。初公判から七年の歳月が流れている◆警察官が証人として出廷した時のこと。弁護側は、現場検証の朝、何時に起きたかを尋ねている。被告人には正当な防御権があり、慎重な審理は当然としても、起床時間が現場検証の中身に関係するとも思えない。七年かかる道理である◆「師」の卑劣な言い逃れや引き延ばしに「だまされてたまるか」と、国民の目は法廷を見つめてきた。弁護にあたった「士」の方々に、その心が届いたかどうかは疑わしい。冒頭の珍説を思い浮かべたゆえんである。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20030424ig15.htm

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