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2003年04月24日(木) 16時36分

松本被告、目伏せ論告無視…大あくびも読売新聞

 東京地裁で24日午前始まった、オウム真理教の麻原彰晃こと松本智津夫被告(48)の論告求刑公判。弁護人との接見を拒み、法廷でも沈黙を続ける松本被告は、この日も刑務官に支えられながら、おぼつかない足取りで入廷した。検察側の論告読み上げにも、関心を示す様子はない。初公判から丸7年。裁判に背を向け続けるその姿には、かつて「教祖」として教団に君臨した面影はなかった。

 ◆満員傍聴席、「沈黙に怒り感じる」◆

 東京地裁で1番広い104号法廷。傍聴席は満席だったが、被告人席に着いた松本被告は、目をやろうともしない。背もたれに体を預け、胸の前で腕を組む。鼻の下、それに、ほおからあごにかけて、びっしりと生えたひげには白いものが目立つ。

 「本日は検察官のご意見をうかがいます」

 午前10時すぎ、小川正持裁判長が述べた後、検察官の論告朗読が始まった。しかし、松本被告は目を伏せ、腕を組んだまま。表情に変化はない。

 風邪気味なのか、時折はなをすすり、口に手を当ててくしゃみをすることも。退屈そうに顔を上げて表情をゆがめたり、大きく口を開けてあくびをしたりすることもあったが、視線はまもなく足元に戻った。

 この日、同地裁前では、傍聴希望者が開廷の約2時間前から列を作った。用意された一般傍聴席は46席。コンピューターによる抽選が行われた午前9時20分には、希望者の数は計649人に上った。

 これまでに、松本被告や信者らの公判を20回以上傍聴したという東京都目黒区祐天寺、建設会社経営青木安夫さん(53)は、「一連の事件では、松本被告の弟子が軒並み死刑判決を受けており、教祖への死刑求刑は当然」と淡々とした表情で語った。

 また、杉並区の男子大学生(22)は、「松本被告が最後まで何も真相を語らなかったことに、怒りを感じる」と、顔をこわばらせた。「一つの時代の区切りだと思って見に来た」という千葉県松戸市のアルバイト店員の女性(26)は、「実行犯でない松本被告がどう裁かれるのか、ぜひ知りたい」と話していた。

 ◆オウム、住民とのトラブル絶えず◆

 オウム真理教は現在も、17都道府県の計28か所に布教や修行の拠点施設を構え、約120か所に上る信者の居住用施設を確保。付近住民との間で、トラブルが続いている。

 教団本部が置かれた東京都世田谷区南烏山の5階建てマンション。1、2階部分のほぼすべてが教団施設で占められ、2001年1月からは、上祐史浩代表が居住。100人以上の信者が頻繁に出入りしている。

 マンションの住民によると、信者の住む階からは夜間、修行用の音楽が流れてきたり、香辛料の強いにおいが漂ってきたりすることがよくあり、「日々、騒音と悪臭で悩まされている」という。ある住民は「教団に苦情を言ってもまったく改善されない。もう限界だ」と訴えた。

 公安調査庁や警察庁の調べによると、家族と離れて各地の教団施設で暮らす出家信者は、昨年末時点で計約650人。ほとんどが教団に対する1995年3月の強制捜査前から入信していた“古参”信者だ。一方、約1000人に上る在家信者の2—3割は一連の事件後に入信。多くは20歳代の社会人や学生だという。

 信者らは各教団施設に出入りして、修行や布教活動を続けているほか、一部の信者は、占星術やヨガ、格闘技の研究会などのホームページを開設し、教団名を伏せて一般の人を勧誘している。「オウム真理教」と判明すると、多くが入信を断るが、そのまま入信する人もいるという。

 教団と地域住民とのあつれきについて、桜井義秀・北大大学院助教授(宗教社会学)は、「信教の自由は他の人の活動の自由にも十分に配慮したものでなければならないが、教団は『唯我独尊』の態度を取り続けている」と指摘。「地域住民が不安を感じるのは当然で、それを解決する責任はまず教団にあるということを、彼らは自覚すべきだ」と話している。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030424-00000005-yom-soci

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