悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録

2003年04月16日(水) 15時02分

医薬・食品保管や交通規制、有事の「違反」に罰則読売新聞

 有事の際に国民の生命や財産などを保護するための手続きを定める政府の「国民保護法制」の「骨子」全文が16日、明らかになった。武力攻撃事態の際に行う医薬品・食品などの保管命令や交通規制に従わなかったケースを罰則の対象として明示したほか、医師法、薬事法の特例として外国人医療関係者による医療行為や外国の医薬品の使用を認めることなどを盛り込んだ。

 政府は18日にも衆院武力攻撃事態対処特別委員会に骨子を提示したうえ、来年の通常国会への提出を視野に入れて法案作成の準備を進める。

 骨子によると、有事の際に、都道府県などは、住民の救難に必要な医薬品、食品などを生産・販売・輸送する業者に対し、物資の保管を命じ、売り渡しを要請できる。また、緊急輸送や安全確保のため、交通規制や、駅、デパートなど生活関連施設への立ち入りを制限できる。国も、原子力発電所など原子力関連施設の安全確保のため、事業者に運転停止などの措置を命令できる。

 さらに、〈1〉販売業者などが物資の保管命令や立ち入り検査に応じなかった〈2〉交通規制や立ち入り制限に従わなかった〈3〉原子力施設などの安全確保措置命令に違反した——の3つのケースを罰則の対象と明示した。

 一方で、有事の際に国民は、〈1〉住民の避難や被災者の救援〈2〉消火活動や負傷者の搬送〈3〉保健衛生の確保〈4〉避難訓練への参加——に協力要請された時に「必要な協力をするよう努める」と規定。国民保護法制に基づき、物資や土地・建物の収用などにより生じた不測の損失については補償することを明記した。

 また、国は、日本の医師免許を持たない外国人医療関係者による医療行為や、薬事法の承認を得ていない外国の医薬品の使用を認めるほか、放射性・毒性物質による汚染の除去や、債務の支払い延期など現行法制の特例を設けるとした。

 都道府県と市町村は対策本部をそれぞれ設置。都道府県は、住民の避難指示や救援、災害への対処などを総合的に推進し、市町村長は、住民避難や災害への応急措置を実施するとした。また、警察と海上保安庁、自衛隊は市町村を中心に調整して避難住民を誘導すると定めた。

          ◇

 16日明らかになった政府の国民保護法制「骨子」のポイントは次の通り。

 【国の責任の明確化】

 1、国による主導的な対処 国は武力攻撃事態の際、対処基本方針を策定▽国は地方公共団体、指定公共機関などの業務計画作成の指針となる「国民の保護に関する基本方針」を策定

 2=略

 3、国による対処措置

 住民避難などの警報発令▽原子力施設、放射性物質など危険物質の安全確保のため、取り扱い事業者に必要な措置を命令▽放射性・毒性物質などの汚染除去▽外国人医療関係者の医療提供の承認▽ライフライン確保、物価の安定など国民生活の安定▽債務支払い延期など現行法制の特例を制定

 4、5=略

 6、国民への情報提供

 警報の発令、武力攻撃事態の状況、安否情報の提供

 【地方公共団体の役割】

 1、責任と権限 都道府県、市町村は、首長を本部長とする対策本部を設置▽知事は住民への避難を指示し、武力攻撃災害への対処を総合的に推進▽市町村長は避難誘導し、武力攻撃災害の際は応急措置を実施

 2、避難の措置 警察、海上保安庁、自衛隊は、市町村を中心に調整して避難住民を誘導

 3、救援 知事は避難住民の収容・医療施設として所有者の同意を得て土地や家屋を使用。正当な理由なく拒否した場合は同意なしで使用できる

 4=略

 【指定公共機関の役割】

 放送事業者による警報、避難の放送▽日本赤十字社による医療・救援協力▽電気・ガス事業者による適切な供給▽運送事業者による避難住民・救援物資の運送

 【国民の役割】

 1、国民は〈1〉住民の避難、被災者の救援〈2〉消火活動、負傷者の搬送など〈3〉保健衛生の確保〈4〉避難訓練への参加を要請された時は必要な協力をするよう努める

 【その他】

 1、損失補償 この法制に基づく収用・総合調整・指示で不測の損失を受けた者に補償

 2、罰則 〈1〉原子炉、放射性同位元素、危険物質などの危険防止措置命令の違反者〈2〉物資の保管命令や、保管命令に伴う立ち入り検査を拒んだ者〈3〉交通規制、警戒・立ち入り制限区域の制限に従わなかった者(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030416-00000009-yom-pol

この記事に対するコメント/追加情報を見る

ニュース記事一覧に戻る

トップページ